棚卸におけるテストカウント
テストカウントは、実地棚卸をした際に、会計士や経理方の担当者が監査目的で倉庫をまわって任意の対象品をピックアップして実際にカウントし(あるいは実施者に特定の対象品のカウントを指示し)、棚卸の際のカウントが正しいか検証する作業になります。
会社によってはテストカウントのことを実査と呼ぶこともありますが、実査は会社の金庫等に保管されている現金・手形・有価証券などの数量や内容を実際に確かめる監査、つまり資産現物の確認であるのに対し、テストカウントは在庫の数量を確かめる(結果として棚卸の正確性を確かめる)監査という違いがあります。現金実査という言い方がある一方、現金のテストカウントとは言わないので、主に在庫以外の資産に対して使われる用語です。
一方、棚卸のなかで実査という言葉を使う場合、テストカウント以外、例えば監査部門の担当者が実地棚卸についてまわり、どのように現物をチェックしているか、棚卸実施者がきちんと数量をカウントしているか、あるいは開始時の説明や段取りも含めて確認することを総称していることもあります。この場合、上記の現金等の確認の監査にとどまらない意味で使われる用法です。
会計士や監査役立ち会いでのテストカウントを実施し、実際の棚卸の内容と違いが出てしまった場合、通常は再度別のテストカウントを行い、それ自体も違いがあった場合は倉庫全体の実地棚卸のやり直しを指示されるケースもあります。
棚卸は、B/S上の棚卸資産の額を決めるための作業となるため、これが変わってしまうと、利益も変わり、会計の信頼性を失うことになります。
したがってこの時期、経理部門や現物を管理する事業部門に緊迫した雰囲気が漂うことになり、無事終わると皆一様にほっと一息つけるという形かと思います。
会社によっては実地棚卸における現物、エフ、在り物調査票の照合時、箱数だけとか、パレット数だけの照合をして終わりということもあります。こうした場合、棚卸手順の中に、いくつかの製品については、ランダムで個数までカウントして確認するという手順を盛り込むことがありますが、これはまさしくテストカウントのプレチェックの意図があります。
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