納品書控と受領書の違い

2021年12月20日更新

納品書控は出荷する側つまり販売する側が納品書のコピーとして手元に保管しておく書類でたしかに出荷したということの備忘録となり、受領書は販売者が発行し納入を受けた側に渡して購入者の製品受領時に受領印を押印して販売者へ返却してもらう帳票のことです。両者ともに発行者は同じ販売側が行いますが、最終的に伝票が行き着く先が違い、証明している内容も異なります。

どちらも販売者が発行する帳票

下図をご覧ください。自社が販売者となり、客先へ製品を販売しているケースの例で図示しています。

納品書控えと受領書の違い

自社から客先へ製品を販売・納入するときに、納品書と受領書を発行している場合はどちらも製品とともに購入者である客先へ渡します。納品書はそのまま客先へとどまり保管されます。

納品書控えは販売者が納品書を作成するときに同じ内容を控えとして残す帳票なので、客先へは送らずそのまま自社の手元に置いておき、保管しておきます。

受領書のほうは客先が製品受領するときに、受領印を押印し販売者となる自社へ返却しますので、受領書は自社で保管することになります。

受領書、納品書、納品書控えの違い
帳票・伝票名 発行から行先まで 内容
受領書 販売者→購入者→販売者 購入側が受領したことを証明するためのもの。法令上(法人税法・所得税法)発行義務も保存義務もない。
納品書 販売者→購入者 販売者が購入者に対して納品した品物の明細を記載した帳票。法令上発行義務はないが、受領した場合は受領側での保管義務が生じ7年保管する。
納品書控え 販売者 販売者が購入者に納品書を発行するときに備忘録として一緒に発行する写しのこと。法令上、発行義務はないが発行した場合は7年の保存義務が発生する。
   

納品書控えだけでは出荷履歴を示すのみ

受領書と納品書控えというのは対になっており、受領印が押印された受領書は、納品書に記載されたものを受領したと相手方が認めたことを示す書類ということになります。

納品書控えはいわば出荷履歴を示す書類でもありますので、受領書と突き合わせると、自社でたしかに出荷し相手方も受領したということの証明になります。納品書控えしかない場合は、相手方が受領したかどうかの証拠は残りません。相手が受け取っていないといわれればこちらも証明することができませんので、トラブルに発展することもあります。

ただし、納品書と検収書のやり取りがなされる場合、受領と検収がイコールになるのであれば、取引上はあまり問題となることはありません。受け取った側が検収した内容が受領した内容と同じであれば、検収書と請求書を照合し、入金とも一致すれば売買取引における齟齬がないということになります。

支払は検収したものに対して実施

最終的に支払いは検収書をもとに行うことになるため、こちらの書類のほうが重要といえます。受領書が重要となるのは、こちらが確かに製品を送ったのに検収が上がっていないというケースです。製品を受領したが内容に不良等の問題があり検収を上げなかったというのであれば辻褄があいますが、そもそも受領自体がないという認識を客先が持っていた場合、受領書が返ってきていればそれをもとに話し合うことができます。

ただし受領書が返ってきておらず、製品だけ納品書控えで出荷したという記録が残っている状態であれば何の助けにもなりませんので、限定された状況でのみ効果のある帳票といえます。

下請法の適用を受ける企業との取引の場合は、検収を上げてから60日以内の支払いではなく、受領してから60日以内の支払いが法令で定められているため、受領日が重要となってくるケースはあります。

もっともほとんどの企業では、受領と検収の日はイコールであり、あとで品質上の問題があって作り直しを指示することがあるにしても、受け取った時点でいったんは検収処理を上げることが実務上は一般的です。検収をあげるために詳細な検査や検品を行うというのはよほど高価なものや点数の少ないものに限られますので、下請法での支払期日の問題がなければ、その日付を記録として残しておく必然性も薄れているといえます。

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