棚卸対象外の理由表示について

2023年12月17日更新

実地棚卸において棚卸対象外や除外の表示をつけてカウントしないことは実務上やむを得ぬ理由でなされている慣行のひとつですが、そもそもこうしたことを社内規則で認めてない企業がほとんどです。

というのも、在庫をきちんと数えてその評価金額を正しく決算書に反映せることで、その会社の資産がはじめて信頼性のあるものになるため、勝手な理由で棚卸対象外にすることはできないことはもちろん、正当な理由や表示があっても実地棚卸の実務の中でもカウント間違えが発生する等して、あとで出量や欠量につながる問題を孕んでいます。

棚卸資産として在庫カウントしないといけないものは、商品、製品、半製品、仕掛品、主要原材料、補助原材料、消耗品で貯蔵中のものとなります。

棚卸時に対象外とするものは、そもそも会計ルール上、棚卸資産に計上しないことになっているものか、そこに存在しないことになっているものか、故意に在庫を隠す目的のものかの大きく3択です。在庫を隠すというのは、粉飾目的で利益を少なく見せたり、逆に多く見せたりする目的でれっきとした法令違反です。

会計ルール上、棚卸資産に計上しないことになっているものというのは、棚卸資産にならないもののことです。具体的には、毎年継続して消費しているもので、例えば文房具類や箱や緩衝材などの包装材料、宣伝用のパンフなどです。これらは購入した時点で経費として計上できるので、棚卸資産に在庫として入れる必要がありませんが、残ったものを期末で貯蔵品として資産(在庫)扱いで計上することができます。

直接的に売上に関わる物品は棚卸資産となり、そうではないものは決算期には貯蔵品という仕訳となります。

ただ、文房具事務用品でも高額なものや金銭と同じ価値があるものは計上の必要があります。

そこに存在しないことになっているため、棚卸から除外しないといけないものというのは、社内手続き上、廃却処理が進んでしまっており、すでに帳簿から当該在庫を削除してしまっているものです。基本的にこうしたことは許されないのですが、社内の稟議書は決裁され、伝票上の処理されているにも関わらず、現物の廃却処理が間に合わず、棚卸の時にも現物が残ってしまっているようなケースです。やむを得ず実施する場合は、なぜそうなったのか説明できるよう記録を残しておく必要があります。

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