不動在庫の反対語

2022年11月20日更新

不動在庫の反対語は、流動在庫となります。ただし、不動在庫自体が通常の「在庫」と区別するために使われる特殊な意図をもった用語であることを考えれば、単に在庫と、不動在庫という二つの区分しかないということもできます。

というのも、不動在庫という用語を当てる多くのケースでは、棚卸資産となる在庫の価格を何らかの基準で「減」とする場合に適用されるためです。不動在庫は膠着在庫、長期在庫、停滞在庫、死在庫、不良在庫といったいろいろな呼び名がありますが意味しているものは、その在庫を購入時や生産時と同じ価格で帳簿に計上することが適当ではないもの、という点になります。

「棚卸資産の評価に関する会計基準」では、錆や品質劣化といった物理的な劣化があったり、流行や型落ちなどで在庫の経済的な劣化があったり、販売見込みがなくなったりしたものについて在庫の帳簿上の価値を下げる必要がある場合と定義づけていますが、これらを不動在庫という括りにして運用している場合、在庫のなかに「不動在庫」というものが存在していることになります。

多くの企業ではこうした在庫は評価減の対象とし、在庫取得時の評価額から減少させる運用しています。わかりやすく、簿価を0円にするというところもあります。

こうした使われ方をしている場合は、「不動在庫ではないもの」はすべて簿価が取得時のものであり、評価減や評価損として計上されていない通常の在庫ということになります。

つまるところ、「不動在庫ではないもの」「定期的に出荷がある在庫」を何と呼称するか、という問題です。企業によってはこれらを単に「在庫」とする場合もあれば、出荷や生産に使用しているという意味で流動在庫とする場合もあります。

不動の反対語は、可動であったり、躍動や動くことを意味する用語になりますが、在庫で動いているものは可動ではなく「流動」と表現しますので、反対語としてあてるのであればこの用語が適当な候補のひとつとなります。

不動産であれば、反対語は動産になりますが、「動在庫」とは言いませんので、在庫が動くことを意味する用語をあてることになります。

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