耐熱鋳鉄とは

2013年7月22日更新

もっとも一般的な鋳鉄である「ねずみ鋳鉄」の耐熱温度は、400℃から500℃程度といわれています。これ以上になってくると、機械的性質の著しい低下により、安全性を満たすことができなくなったり、用を成さなくなってくるため、別の耐熱性のある鉄鋼材料が検討対象となります。

耐熱性ということであれば、耐熱鋼であるSUH材やステンレス鋼材がよく知られており、それぞれについて耐熱鋼鋳鋼品であるSCH材、ステンレス鋳鋼品であるSCS材もあります。

ただし、コストや加工上の問題など、あくまで鋳鉄品での耐熱性を求めていくのであれば、クロム鋳鉄や高シリコン鋳鉄、高ケイ素鋳鉄などを用いていくことになります。

鋳鉄の持つ強みは、耐磨耗性や摩擦係数、振動を吸収する減衰能といった点ですが、添加する元素によってはこれらのほかにも、弱点を克服した材種も存在します。

成分組成によっては、鋳鉄ではなく、鋳鋼と呼ぶほうが正確なこともありますが、このあたりの使い分けは人によって少々異なることがあります。

耐熱温度の高い鋳鉄品を表にまとめると、以下の通りです。高アルミ鋳鉄、シラル、高ケイ素鋳鉄といった高温域に使えるものから、500℃から600℃前後のものまで添加されている元素によって幅があります。

      
耐熱鋳鉄と耐熱鋼の耐熱温度
鋳鉄、鋼の種類 添加される主成分 耐熱温度
低クロム鋳鉄 クロム 700〜750℃
高ケイ素鋳鉄 シリコン 900℃
アルミニウム鋳鉄(高アルミ鋳鉄) アルミニウム(+シリコン) 1100℃
ニクロシラル ニッケル、クロム、シリコン 950℃
ニレジスト クロム、ニッケル、銅 500〜600℃
SUH330(耐熱鋼) クロム、ニッケル 1035℃
SUH31(耐熱鋼) タングステン、クロム、ニッケル 1150℃

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