L/C決済の流れ

2013年10月13日更新

海外企業との取引においては、互いに国が異なり、準拠する法律も異なり、同じ国以上に取引においては売買する双方にリスクが付きまといます。それはつまるところ、支払が先か、品物の受取が先かという話になり、支払いが先であれば、買い手としては、お金を支払ったのに物が届かないといったリスク、売り手としては、品物をたしかに送ったのに金額を支払ってもらえないというリスクが存在します。

この双方にとってのリスクを軽減しようとする決済方法の一つが、L/Cになります。

買い手と売り手の銀行に間に入ってもらい、L/Cを売買してもらう

L/Cとはエルシーと呼ばれますが、Letter of Creditの略で、日本語では信用状とも呼ばれます。

ごく簡単に言えば、買い手と売り手の双方の国側でそれぞれ銀行に間に入ってもらい、このL/Cの売買を銀行にしてもらうことで、代金の支払いと荷物の受け取りを双方確実にしようとするものです。

端的に説明すれば、L/Cと呼ばれる書類を買い手の銀行を通じて、売り手の銀行へ送ってもらい、売り手はそのL/Cを輸出種類とともに銀行に買い取ってもらいます。買い取った銀行は、輸出書類とともに買い手の銀行へ送り、銀行間でも費用のやり取りを行います。買い手は、買い手側の銀行にお金を支払うことで、荷物の引換証となる輸出種類であるB/Lを受け取ることが出来ます。

L/Cは単なる銀行振り込みに比べてリスクは軽減できますが、まったくリスクが無いわけではありません。例えば発行銀行が倒産した場合や、互いの銀行が小さい銀行同士で口座を持ち合っておらず、買い手の入金がない場合にL/Cの発行銀行がお金を支払わない等です。

L/Cにもいろいろな種類とルールがあり、これらをよく見極めないと自社側に不利な条件での売買となり、十分なリスク回避策がとれず、万が一の際、費用を回収し損ねたということにもなりかねません。売買交渉の際、特に金額の大きなものであれば尚更、支払条件の交渉が詳細に詰められることになりますが、このときにL/Cを用いる場合、どのような条件のL/Cにするか当事者間で交渉することになります。

L/Cの国際的な運用ルールについては、UCP(Uniform Customs and Practice for Documentary Credit)と呼ばれる信用状統一規則が存在します。いくつかバージョンが存在し、2007年改訂のUCP600が最新のものです。他に、1993年改訂のUCP500が存在します。このルールではL/Cを使った取引の基本的なルールについて定めており、多くの国際間取引はこのルールをベースにしています。

L/Cの種類

支払いの条件によって、原則、すぐに換金が可能なL/C at sightと現金になるまでに猶予のあるユーザンスL/Cとに分けることができます。

また、条件によっていくつかに分けることができます。

  • Irrevocable L/C
  • Confirmed L/C
  • Restricted L/C
  • Transferable L/C
  • Revolving L/C
  • Combined L/C

L/Cの流れ

L/Cの一般的な流れを少し省略しつつ、以下の図解、略図とともに見ていきます。図についている丸数字が以下の見出しの番号に対応しています。

1.売買契約成立

この際、どのような売買条件、支払条件にするのか内容を詰めて契約を交わします。L/C決済にする場合は、最低限、at sight(一覧払い)なのか、usance(ユーザンス付き、支払猶予付き)なのかを明確にする必要があります。at sightはすぐに現金化ができるL/C取引で、売り手に有利となります。usanceとは手形のサイトのようなもので、何日後に現金化可能かを指定できます。

2.L/C発行依頼

客先への現物の引渡しにあわせて、いつまでにL/Cをもらわないといけないかが決まってきますので、一般的には、売り手の方が、買い手に対していつまでにL/Cを発行して欲しいと依頼します。この際、Proforma Invoiceを送り、それに対応したL/Cを発行してもらいます。

3.L/C発行・送付

発行銀行は買い手がL/Cの発行を依頼する銀行で、この銀行からL/Cが売り手の通知銀行(買取銀行)に送られます。

4.L/C通知

通知銀行(買取銀行)から売り手に対して、L/Cが発行された旨と内容が連絡されます。この段階で、輸送時に保険をつける場合は売り手は保険付保の手続きに入ります。

5.輸送会社への荷物引渡し

インボイスやパッキングリストなど通常の輸出に必要な貿易書類を揃えて、現物を輸送業者へ引き渡します。

6.B/L発行

輸送業者から受け取ったB/L(船荷証券)は有価証券であり、これが買取銀行を通じて、相手方のL/C発行銀行へ送られ、買い手が発行銀行に支払いをすると、発行銀行が買い手にB/Lを渡す仕組みです。 B/Lは荷物の請求権と受取証の効力をもつ証券です。

7.為替手形の買取を依頼

端的にいえば、L/Cを銀行に買い取ってもらいます。このために、荷為替手形と呼ばれるものを輸出者(売り手)が振り出します。

この買い取ってもらう際、B/Lやインボイスに書かれている情報と、買い手の発行銀行を通じて送られてきたL/Cの間にわずかでも違いがあると、銀行は買い取ってくれません。例えば、出港日が変わり、B/Lの日付が予定していた日と変わってしまったために、あらかじめ買い手に連絡していた情報に基づいて発行してもらったL/Cの日付と違うという理由でも買取を拒否されることがあります。これをL/Cのディスクレといいます。

ディスクレが起きてしまった場合は、買い手を通じて、買い手側の銀行にこの差異があっても受け入れてもらえるよう連絡してもらうという方法が一般的です(ケーブルネゴ)。

8.為替手形に基づき、買取銀行が立替払い

買取銀行に、立替払いしてもらうことで、事実上、代金の支払いを受けることになります。

9.為替手形、B/L等の種類を送付

買取銀行から発行銀行へ、為替手形・B/L等を送付し、それに対する支払いを受けます。売り手側の買取銀行と、買い手側の発行銀行との間での支払い金額のやり取りにはいくつかの方法があります。以下の3パターンが知られます。

L/Cにおける銀行間決済の方法
方式 説明
リンバース方式 買取銀行と発行銀行の間に、補償銀行が入る。買取銀行は補償銀行へ請求、補償銀行にはあらかじめ発行銀行の口座が作られており、そこから引き落として買取銀行へ支払う方式
回金方式 発行銀行に、買取銀行の預金勘定に入金してもらう方式
デビット方式 買取銀行にある発行銀行の預金口座から引き落とす方式

為替手形はB/E(Bill of Exchange)といわれるもので、振出人が売り手(輸出者)、買い手(輸入者)か、発行銀行を名宛人とする手形です。

10.為替手形を提示

L/C発行銀行から買い手に対して、為替手形が提示される。買い手はこれに基づいて、L/C発行銀行に対して代金を支払う。

11.代金支払い

買い手がL/C発行銀行に対して金額を払い込む。

12.代金支払い後、発行銀行がB/Lなどを渡す

買い手が発行銀行に対し、代金を支払うと、輸送会社から品物を受け取るときに使うB/Lが発行銀行から買い手に渡される。

13.買い手がB/Lと引き換えに品物を受け取る

発行銀行に代金を支払うことで引き渡してもらえるB/Lを用いて、船会社から実際の荷物を受け取る。

L/C決済の流れの図解

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