ツェルトメーカーの一覧と比較|登山、トレラン用のツェルト

2019年9月29日リンク更新

ツェルトとは、非常時や休憩時などに使う簡易型のテントのことです。丸めてスタッフバッグに入れるとコンパクトになるものが多く、大きさは缶ジュース1本程度、もしくはそれよりも小さくなるものもあります。ザックの中に入れておくことで、いざというときに様々な使い方ができるため、必携の道具としてすすめられています。パーティで行動する場合、大きめのツェルトを誰か一人持っているだけでも非常時の対応がまったく変わってきます。はぐれてしまうことも考慮し、重さも軽いため、エマージェンシーシートとあわせて、本来は一人一つは持っておきたい道具です。

また近年は、非常用としてだけでなく、以下で述べるような積極的に使っていく方法もあります。

登山やトレイルランニング(トレラン)、トレッキング、ハイキングなどでは、ツェルトを使う目的としては主に以下のような状況が考えられます。

ツェルトの主な用途、使い道

  • 急な悪天候、雨・強風・雪・吹雪などに見舞われた際、設営して中に入り、体力を温存する。
  • 上記のような状況の際、ツェルトにくるまって首だけ出して体温が冷えないようにする。
  • パーティで行動している場合や、複数人で布団のように包まって使うこともできる。
  • レインウェアのないメンバーにこれをかぶせて合羽がわりにする。
  • レジャーシートのように地面に敷いて使う。
  • トレイルランニングの途中で、休憩や昼寝用として設営する。
  • 大雨や吹雪に遭遇し、岩陰や洞窟、雪洞などに一時的に避難した際、風や水の浸入を防ぐため、フタのようにして使う。
  • 荷物を軽量化するため、テントのかわりに野営用として使う。
  • 強い日差しや雨をよけるため、タープのようにして使う。
  • 着替えや急なトイレ等の際に目隠し用途に設営して使う。
  • テントの近くに設営し、テントに入りきらない荷物を収納しておく。
  • 一時的に荷物をデポするなどして行動する際、荷物を置いておく場所として使う。

ツェルトの価格

価格帯は8000円前後から20000円前後のものが多く見られます。実際に風雪や雨を防ぐ用途で使ったことがある方ならば、何も防ぐものがない状況でこの道具がかなり便利なものであることは分かるかと思います。

設営そのものができるならば、エマージェンシーシートと併用することで、本来ならば低体温症になってしまうような状況下でもしのぐ事ができる可能性が高まります。

ツェルトの防水性はどの程度か

積極的に野営用として設計されているものを除くと、基本的にツェルトは雨にあまり強くありません。強くないといっても水が常時漏れてくるということではなく、これは構造的に生地の接合部分が密閉されていないこと、この部分の防水処理がされていないことや、重量の関係でシングルウォールにならざるを得ない点が関係しています。特に、問題となるのが縫い目の部分と地面の設置部分です。

縫い目の部分は自分でも補強できますので、シームコートのような縫い目に防水処理をする液体を塗り込むことで改善可能です。また、生地そのものは結露の関係もあり、防水性能や撥水性能をあげる目的での防水スプレーや撥水剤をつけることについては賛否両論あります。

基本的に登山用品メーカーのもので、生地そのものが水を透過してしまうというようなことは、よほどの嵐や大雨等でなければ考えにくいことです。ゴアテックスを生地に使っているメーカー以外は耐水圧と透湿度は推測でしかありませんが、1000mm程度はあると思われるため、縫い目以外の部分から水が滴り落ちてくるということはあまり考えにくいです。

こうした状況のときは、レインウェアも着こんでツェルト内に避難しているわけですから、雨風を防ぐ最初の防壁としてはこの重量ならば十分とも考えられます。

ただ構造上、風と雨が強いような状況下だと、換気口であるベンチレーターからの水の浸入も考えられます。また気温によっては結露がかなり発生する点も念頭に置いておきたいところです。メーカーによっては結露が発生しにくいモデルも発売されています。

問題となる地面ですが、ほとんどのツェルトは底割れ方式で、テントのように底が密閉されていません。底には、紐がついているため、自分で結んで閉じることになりますが、密閉が困難なため、この上から防水のシートなどを敷いて中に入る必要があります。防水性を重視するのであれば、底割れ式になっていても、底のフラップが重ねられる構造になっているかも見ておきたいポイントと言えます。

ツェルトの設営には何が必要か

ツェルトは自立式ではないため、ポールやロープなどを用いて樹木に結んだり地面にペグで固定するなりしないと形状を維持できません。最悪、ツェルトのなかで傘をさすと、空間が確保できるのでそうした使い方も可能ですが、テント形状にして使いたい場合、ロープとそれを固定する場所が必ず必要です。樹林帯や森林などならば割りと確保しやすいでしょうが、そうした適当な高さにロープをはれる場所がない場合や、トレッキングポールでポールをたて、そこにロープを結んでペグダウンします。テントよりも防風や耐久性はさらに劣りますが、非常に雨風を防ぐという目的であれば、これでも何とかなります。

ロープやペグ、専用ポールなどは通常別売りですので、必要に応じて揃えることになります。ポールはトレッキングポールでも代用できますが、ロープとペグについては持っていないとテント形状にして使うことはできませんので注意が必要です。

ただ、あまりテント形状にこだわらなくとも、いざというときに水と風の浸入を極力防ぐことができるならば、使用者の創意工夫でどのようにでも使うことができるのがツェルトの特徴とも言えます。

ツェルトの張り方

ツェルトの張り方についてはメーカーや販売店のサイトで詳しく紹介されているので、以下に参考サイトを列挙します。なお、ツェルトを購入したら、必ず設営練習を何回かやっておく必要があります。現地でトラブルに見舞われ、雨と風の中で急に設営というのは非常に困難です。実際にアウトドアで練習しておかないと、ツェルトが本当に必要なときにはうまく設営できなかったり、活用することができません。そもそも、スタッフバッグから出してみないと、どのような形状・構造になっているのかも分からないかと思います。

アライテント
日本を代表する登山用テント専門メーカー。ツェルトも製造販売する。ビバーク・ツェルトスーパーライト、ビバーク・ツェルト1、スーパーライト・ツェルト1、スーパーライト・ツェルト2、ツェルト用フライシートなどをラインナップに持つ。スーパーライトツェルトは280g(1〜2人用)の軽量タイプ。生地にはウレタンコーティング加工。東レ「ファリーロ」中空糸を用いている。
モンベル
同社のツェルトのうち、U.L.ツェルトは重量わずか230グラムしかない。ナイロン、ウレタン・コーティングを施したものを素材としており、底割れ部分は紐を結んだ際に生地のかさなるフラップ部分を大きくすることで、床から水が入りにくくする工夫がされている。他、高価にはなるがGORE-TEX ライトツェルトというモデルもある。
ファイントラック
オリジナルの防水・透湿生地を使用した超軽量・コンパクトのツェルトを製造販売。対結露性能に定評がある。非常時だけでなく、積極的に使えるツェルトというコンセプトが設計思想にあるため、強度面などで改良が施されている。重量は、ツエルトU」で320g、「ツエルトUロング」で340g、1〜2人用の「ツエルトI」で235g、最も小さい1〜2人用の「ピコシェルターで130gとなっている。生地の防水性能は、耐水圧1,000mm、透湿性8,000g(A-1法)となっている。
ヘリテイジ
エスパースシリーズで有名な山岳テントメーカーの企画によるツェルト。エマージェンシー・ソロシェルター、ストックシェルター、スーパーツェルト、エマージェンシー・ツェルト、ツェルトとしては珍しい自立式型のドームシェルターであるエマージェンシー・ドームもラインナップにある。
オクトス
帆布バッグや登山用品の専門店。オリジナルコンパクトツェルトを通販しており、重量約375g、生地は30デニールナイロン ポリウレタンコーテイングで耐水圧は2000mm防水。
ICI石井スポーツ
登山用品専門店であるICI石井スポーツの独自ブランドPAINE(パイネ)からもツェルトを販売。 パラシュートクロスを採用した超軽量モデルであるパイネ フェザーライトツェルト1-2人用は30dn強化ナイロンで410グラムの重さ。
ナンガ
シュラフ専門メーカーとして有名な滋賀県のメーカー。ツェルトは、ナノテックスツェルトを製造販売。重量320gの軽量ツエルトで、30dnナイロンNANO−tex撥水加工がされている。
ジュウザ
ツェルトとしては、トレッキングポールと利用して設営するツェルト・プラスやEm-Shelterといったラインナップを展開。

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