ザックのメーカー一覧|登山、トレッキング、ハイキング用ザックメーカーのブランド

2019年9月29日リンク更新

ザックは、登山やトレッキングにおいては登山靴、登山ウェアと並んで最も重要な装備の一つとなります。この中に行動や生存に必要な様々なものをつめて身一つで移動することになります。基本的に山に入ったら、特殊なサバイバル技術でもない限り、ザックに詰めてきた道具で何もかもやりくりしなければなりません。

登山用のものを製造しているメーカーのものであれば耐久性については問題ないことが多いですが、最高荷重が定められているため、これを超えるほどの荷物を詰め込むのはNGです。山行にあわせ、どのような山にどのように登るのかによって持って行くものにあったザックを用意すべきです。

メーカーは、歴史のある老舗と呼ばれるザックメーカーから、新興のザックメーカーまでありますが、総じて登山の歴史の古いヨーロッパ勢やアウトドア大国であるアメリカのメーカーが強い分野でもあります。

登山用ザック選びのチェックポイント

ザックそのものの重量

登山用に使うザックは、小さいものであってもフレームが入っていることがあり、ウェストで固定するパッドもついているため、一般的なリュックとは機能に違いがあります。長時間、重いものをもって足場の悪い部分を歩くということに主眼が置かれているため、荷重分散の機構や背面、腰、肩など様々な部位を使って荷物を背負える工夫が凝らされています。また背中が蒸れにくい様にするメッシュ機構を取り入れたり、肩や腰にあたる部分が広め、集めのパッドになったものなど工夫が凝らされています。

こうした機能性を重視しているため、登山用ザック自体に1kg〜2kg前後程度の重量があります。登山の場合は、100gの重量を削るのにどうするか腐心するため、大型のザックや丈夫なものであればあるほどザックそのものの重量もあり、何を持って行くのか吟味が必要になってきます。

ザックの容量から選ぶ

一般のリュックやザックでは表示されていないこともありますが、きちんとしたメーカーの登山用のザックには容量が必ず記載されています。山行の内容、予定に合わせて容量のあったものを持っていく必要があります。大は小をかねるという議論もありますが、よく山に行くのであればたいていは複数のザックを使い分けることになると思います。テントをかついで山に入るのと、日帰りの登山とでは持っていくものも違い、ザックも当然違うものになります。

ザックの容量の目安(冬以外)
用途 容量 内容例
日帰り用(調理なし) 〜20リットル前後 水とお弁当、レインウェア、タオル、救急セットなど。春・秋などで厚手の着替えを入れる場合はもう少し大きなものが必要。
日帰り用(調理あり、着替え) 〜40リットル前後 バーナーを用いてクッカーでちょっとした料理を作って食べる場合でも十分。非常用のツェルトや、タープなどを持っていってもまだ余力あり。
山小屋泊(1〜3泊程度、宿泊設備あり) 35リットル前後〜55リットル前後 寝具を完備し、食事も出してくれる有人の山小屋に泊まる場合はテントやシュラフなどが要らないほか、食料が減らせるので軽量化が可能。春や秋であれば、ウェアの数が増え、万が一の場合の防寒具なども必要だが、それでも十分。
テント泊(1〜3泊程度) 60リットル〜 他の山行と違い、テント(+テントポールやペグ、グラウンドシートなども)、シュラフ、マットが新たに必要。これらは重量もさることながら、結構かさばる。つめ方や持ち物を吟味することで50リットル以下でもテント泊対応も可能。テント泊の場合、行動予定日数分+αの食料と水を持っていく必要がある。
縦走(1週間〜) 75リットル〜 テント泊で1週間以上山の中で移動を続けるような場合、70リットル前後のザックが必要。仮に山中での活動を7日とした場合、食料だけで21食分+αが必要。なお、1週間を超えるような山行の場合、水が現地で確保できないと難しい。

パッキングのしやすさ、取り出しやすさ

登山用のザックには、大きくトップローダーと呼ばれるものと、パネルローダーと呼ばれるものがあります。あるいはこれら二つを備えたモデルも出てきてます。

トップローダーとは、雨蓋がついた登山用ザックで、まず雨蓋をとき、紐を解いてからでないと荷物の中身が取り出せない構造になっているものです。チャックではないため、チャック破損などの心配はありませんが、底につめたものがなかなか取り出せないのが難点です。うまくパッキングするには慣れを要しますが、たくさん荷物を詰め込むこともできます。

パネルローダーとは、普通のリュックのようにチャック式で開閉ができるもので、登山用のものだと前面をあけることができるにようになっているものが多く、ザックを寝かせてチャックを開ければ、どの部分に詰め込んだ荷物も簡単に取り出せる特長があります。ただし、チャック部分からの浸水やチャックのトラブルが起きるとザックの機能が失われてしまいます。

ザックの材質

ザックは軽くて強度のあるナイロン系などの素材が使われますが、この布地の厚さや強度についてはメーカーにより異なります。というのも、ナイロンの素材表示しかなくとも、いわゆる繊維形状に特殊な加工をしたり機能剤などを練りこんだ高機能のナイロンが使われていることもあり、表示だけからは判断がつきません。

ひたすら軽量化を重視したタイプのものだと、極薄の生地になっているため、藪こぎや枝の生い茂る中で引っかかりながら歩くのには向いていません。また岩場などでザックが擦れるような場面でも、薄いものほど損傷の危険があります。

名のあるザックメーカーのもので、触ってみて厚手の生地ならば、簡単には破けません。

ザックの防水性能

ザックには防水効果のないものから、軽い撥水性能がついているもの、きちんとした防水がつけられたものなど様々なものがあります。一般的なザックだと、防水については弱く、雨が降り出した場合は、ザックカバー(レインカバー)をつけることになります。また中にはドライバッグと呼ばれる防水の袋に、ぬれては困るものを入れて携行することも一般的です。

ザックの背面長があっているか|フィッティングは適切か

ザックは、登山靴とウェアとともに登山者やハイカーにとっては三種の神器ともいえる重要なアイテムですが、サイズが自分の背面にあわないものを使っていると、登山中に思わぬ箇所に痛みがきて背負うことが苦痛になってきます。

現在のザックは、肩だけでなくウェストや背中で荷重分散をはかるタイプのものが主流ですが、あわないものだと腰が痛んだり、背中の特定部分が痛んだりすることがあります。これは大きなザックほど影響が顕著になるため、60リットル、65リットル、75リットルといった1週間近い長期縦走用などにも使えるザックの場合は特にフィッティングには気を配る必要があります。登山中に痛み出すと、せっかくの登山が苦痛でしかなくなり、場合によっては行動不能に陥ります。

このため、登山用品店などでは可能な限りザックを実際に背負ってみることが大切です。店によっては中にある程度パッキングして重くしてくれることもあるので、その状態で背負い、傾斜を歩いてみたり、各種ベルトの締め付けを調節したりして痛いところがないか、自分の体にあったものかを確かめていきます。

カリマー(karrimor)
イギリス発祥のザックメーカー。生地の強さや頑健なつくりに定評がある。新モデルも発表。登山用、トレッキング用のザックとしてはアルピニステ(alpiniste)、ホットロック(hot rock)、クーガー(cougar)、フライヤー(flyer)、リッジ(ridge)、エアスペース(airspace)などをラインナップに持つ。
ミレー(MILLET)
フランス発祥のザックメーカー。現在はザックの他、アウトドアウェアや登山靴などアウトドア製品を幅広く手がけている。ザックとしては、トリロジー、プロライター、マトリクス、アクスペル、ソロ、グランドキャプサン、サースフェー、クンブ、ベルビューライト、ミアジュ、エクラン、アルピーヌ、エーリアル、グラニットなどのモデルがある。
オスプレー(OSPREY)
米国の登山用ザックメーカー。ザックの専門メーカーであり、豊富なサイズと軽量なモデルに特徴がある。また価格帯も他メーカーよりも若干リーズナブルな設定となっている。また女性用ザックのモデルや子供用のモデルもある。主なモデルとしては、ジーニス、ゼナ、イーサー、ケストレル、カイト、アトモス、オーラ、エクソス、ホーネット、タロン、ストラトス、シラス、バリアント、エスカピスト、ミュータント、コードなど。日本正規代理店であるロストアロー社のページでも同社の製品が紹介されている。
グレゴリー(GREGORY)
米国カリフォルニアで生まれたザック専門メーカー。30年以上に渡りバックパックを製造・開発。同社のフラッグシップモデルとも呼べるバルトロ75(Baltoro)、バルトロ65をはじめ、トリコニ(Triconi)、Whitney(ホイットニー)、Contour(コントゥア)、Palisade(パリセード)、Denali(デナリ)、Alpinisto(アルピニスト)、Targhee(ターギー)などのラインナップを持つ。
グラナイトギア(GRANITE GEAR)
1986年、米国ミネソタ州で創業したザックメーカー。米軍向けの製品としても採用実績がある。軽量なトレッキング用ザックとしては、Aji V.C. 50(アジ)、Blaze A.C. 60(ブレーズ)、Crown V.C. 60(クラウン)、Escape A.C. 40(エスケープ)、Leopard A.C. 58(レパード)、Nimbus Trace 62(ニンバストレース)、Nimbus Meridian(ニンバスメリディアン)、Virga(ヴィルガ)、ヴァイバーディといった豊富なラインナップを持つ。
マムート(Mammut)
スイス発祥の登山やアウトドアレジャーのメーカー。もともとはロープの製造メーカーからスタート。トレッキング用ザックとしては、Heron Pro、Heron Light、Hera Guideなどのラインナップを持ち、アルパインバックパックとしては、Trion NordwandなどのTrionシリーズ(トリオン)、Treaシリーズ、Taranaki(タラナキ)などの製品をラインナップ。
ノースフェイス(THE NORTH FACE)
アウトドアウェア等の総合メーカー。登山用のザックとしては、カシミール、コンネス、テルス、プロフィット、マティスクレストなどのラインナップがある。
モンベル(Montbell)
日本の登山・アウトドア用品総合メーカー。ゼロポイント(Zero point)のブランド名を持つ登山用、トレッキング用、ハイキング用のザックを開発・販売している。サイズやラインナップのレンジは広く、目的に合わせて様々なタイプが販売されている。
バーグハウス(berghaus)
イギリス発祥の登山用品・アウトドア用品のメーカー。もともとは販売のみを手がけていた。ザックとしては、バイオフレックス、フリーフロー、ヴェイパー等がある。
ブラックダイアモンド(Black Diamond)
クライミングギアで有名なメーカーだが、他の登山用品も手がけている。ザックとしては、アナーキスト アバラング、ミッション、エピック、アンセム、エイリアス、スピード、ボルト、ナイトロ、マーキュリー、オニキス、ブースト、フレアー等のラインナップがある。日本ではロストアロー社のサイトでも製品ラインナップが見られる。
ドイター(Deuter)
ドイツ発祥のザックメーカー。シュラフも製造販売する。登山用、トレッキング、ハイキング用としては、フューチュラ(Futura)シリーズ、ACTライト(ACT Lite)Aircontact(エアーコンタクト)、フューチュラ バリオ(Futura Vario)などのザックがラインナップされている。
ホグロフス(HAGLOFS)
スウェーデンの登山用品メーカー。1914年に最初のバックパックを製造後、軽量で耐久性に優れた素材を選択。95Lもの容量をもつエクスペディションパックから軽量な12Lのデイパックまで幅広いラインナップを持つ。
ロウアルパイン(Lowe alpine)
1967年、アメリカ・コロラド州ボールダー発祥のアウトドア用品メーカー。ザックやウェアなどを手がけている。
マックパック(macpac)
ニュージーランド発のザックメーカー。1973年設立。アルパイン用のパーシュート、アセントといったモデルから、トレッキング用のカスケード、エスプリ、グリセードクラシック、トーレ、エクスプローラー、カカポ、トーレスといった数多くの製品を持つ。
マーモット(Marmot)
米国のアウトドア用品メーカー。アウトドアウェア中心のメーカーだが、登山用やトレッキング用のザックとしては、Drakon(ドラコン)、Centaur、Backcountry、Kompressor Summitなどのラインナップがある。
ミネルバ(MINERVA)
日本のザックメーカー。純国産としては数少ないメーカーの一つ。DUAL・A・Sバックレングス調節機能を備えたレショープロ(Leschaux Trekkingシリーズ)、冬山縦走などの重装備での山行向けにデザインされた超大型ザックであるヒスパープロ(Hisper Pro)等がラインナップされている。
マウンテンダックス(mountain dax)
1977年に設立された日本の登山用品メーカー。2015年に倒産したものの、オクトスがブランドを引き継ぐ。日本人の体型と日本特有の厳しい自然環境に適した物作りに特徴。登山用、トレッキング用のザックとしては、ピラー、シャワー、ガイド、ユニック、ユーラシア、ラトック、グランシャルモ、フリーダムといったラインナップがある。
マウンテンハードウェア(MOUNTAIN HARDWEAR)
米国のアウトドア用品メーカー。コロンビアスポーツの傘下企業でもある。ザックとしては、サウスコル、ダイティッシマ、ヴィアラピダ、サミットロケット、スクランブラー、シャカ、ウィメンズラニなどのラインナップがある。
サレワ(SALEWA)
本拠地をイタリアに置く、ドイツの総合アウトドアメーカー。ハイキング用や山スキー用のザックなどがある。
サロモン(SALOMON)
1947年にフランス・アルプス発祥のマウンテンスポーツ用品メーカー。ザックとしては、トレイルランニング用のものが有名だが、ハイキング用として45リットル容量までのものもラインナップに持つ。主なモデルとしては、シナプス、スカイなど。小型のものが多い。
アライテント(RIPEN)
登山用テントで知られる埼玉にあるテントメーカー。ザックも製造販売する。登山用としては、クロワールシリーズやマカルーシリーズがあり、余分なものを廃したシンプルで質実剛健なつくりに特徴がある。生地には、ポリエステルとケブラー(鉄よりも強いアラミド繊維の一種)とのハイブリッド布地が使われている。
タトンカ(TATONKA)
ドイツのザックメーカー。素材、縫製にこだわった職人気質のメーカー。TATONKAはネイティブ・インディアンの言葉でバイソンを意味する。登山やトレッキング用のラインナップとしては、アイシス、ユーコン、パイロックスプラス、パイロックス、ジャゴス、イミール、エキスペディションライト、タトンカアクシス、パシー(EXPシリーズ)、バイソン(EXPシリーズ)などがある。ドイツ軍に供給しているメーカーでもある。
ファウデ(VAUDE)
ドイツの総合アウトドアメーカー。大型ザックではターカム、アストラといったシリーズがあり、小型のものが全般的に多くラインナップされている。日本ではミヤコスポーツのサイトでも製品紹介を見ることができる。

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