MG砥石(マグネシアセメント砥石)

2011年10月5日更新

MG砥石は、マグネシアセメントをボンドとした砥石で、マグネシア砥石、セメント砥石とも呼ばれます。

金属系素材との相性が良く、様々な鉄鋼材料、刃物、鋸などの研磨に使われます。この砥石が真価を発揮するのは重研削のときと言われますが、その理由はMG砥石が持つ「吸熱性」にあります。

研削点における温度、砥石とワークが高速回転することにより発生する「熱」はワークをいためるだけでなく、加工精度や加工効率に大きく影響する重要な要素です。高温になるとワークや砥石が焼けたり、砥石からワーク全体に伝わった熱によりワークが変形したり、砥粒やボンドが熱によるダメージで切れ味の低下を起こしたり、その結果目詰まりや目つぶれなどを起こして加工を阻害する要因になってしまいます。

高温に上昇することを防ぐためにクーラント(研削液)が使われますが、それでも高速で回転する砥石の温度は十分に下げることができません。吸熱性のある砥石を使うことで、ワークへの熱ダメージを軽減するという考え方もあります。

ただし、砥石の特徴として、鉄を含むワークを加工する際にはワークが錆びやすくなることがあるため、注意する必要があります。

MG砥石のメーカーとしては、刃研が有名です。砥石の製造工程に天日干しなど伝統的な製法が組み込まれています。同社の製品は海外でも多く使われるなど定評があります。

マグネシアセメント砥石(MG砥石)
マグネシアセメント砥石(MG砥石)

MG砥石の特徴と仕様

研削でよく使われる工程

粗や中仕上げでの使用が多くみられます。重研削でも優れた性能を発揮します。

粗工程 中仕上げ 仕上げ

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