ダイヤモンドホイール・CBNホイール
レジン(樹脂)ボンド砥石

2009年8月15日更新

レジンボンド(レジノイドボンド)は、「レジン」=「樹脂」の名の通り、熱硬化性合成樹脂で砥粒を保持し、すぐれた弾性により加工物へのあたりがソフトで、粒度や集中度を調整することにより良好な面粗度が得られる最もポピュラーなボンドの一つです。

砥石の特徴と仕様

研削でよく使われる工程

ボンドが樹脂でやわらかいため、砥粒の生えかわり現象である自生作用が進みやすく、常に鋭利な切れ刃が確保しやすいタイプの砥石です。それゆえ、切れ味は最も優れていますが(※加工物にもよります)、反面、寿命を長く維持することや研削中に砥石の形状を維持することが課題となります。

レジンはボンドのなかでも汎用性が高く、研削する対象にもよりますが、工程は粗取り用としても仕上げ用としても使えます。

粗工程 中仕上げ 仕上げ

砥石の標準仕様

寸法 粒度 結合度 集中度 ボンド
各種 #16〜#8000程度
P(硬め仕様)
N(標準硬さ)
L(軟らかめ)
10〜150 レジン

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レジンボンド砥石の持つ性質

一言で言えば、樹脂のやわらかいボンドです。ボンドはクッション性があるため、他のボンドに比べると角だれやうねりに関しては注意が必要です。メタルやビトに比べると、空気圧の抜けたタイヤに近く、加工物に接触する面積が大きいため、研削時に砥粒が同時にワークへあたる数が多くなる傾向があります。反面、ドレッシングやツルーイングは容易に行えますが、削りすぎには注意する必要があります。

レジンボンドの持つ砥粒の保持力は比較的弱いため、砥粒とボンドの機械的な保持力を高めるため、ダイヤモンド砥粒を金属でコーティングしたSDCやCBN砥粒をコーティングしたCBNCなどが砥粒としてよく用いられます。これは機械的な強度を高めるほか、熱を逃がしてやる作用も持ちます。(コーティングしていない合成ダイヤモンドはSDと表記します)

レジンボンド砥石の材質

熱硬化性樹脂としてはフェノール系やエポキシ、ポリイミド樹脂などが使われており、レジンボンドには充填材(フィラー)をいれ、ボンドの特性や砥石の特性を調整します。配合材料や配合比率、焼結温度などがダイヤモンドホイールやCBNホイールを製造する際のノウハウ部分になってきます。同じ材料種のレジンボンドであっても砥石メーカー各社とも特徴が異なるため、各種サンプルなどでお試しになることをおすすめします。

レジンボンドタイプのダイヤモンド・CBNホイールでは、特に研削力(切れ味)に力点が置かれることが多いですが、持ちを重視した設計もあります。

よく使われる研削対象

ダイヤモンド砥石
超硬合金
フェライト・磁性材料
サーメット
ダイヤモンド焼結体
Si, Ge等半導体用
石材・コンクリート
CBN砥石
炭素鋼,SK
高速度鋼,ハイス,SKH
合金工具鋼,SKC
ダイス鋼,SKD
クロム鋼,SKD
クロムモリブデン鋼,SCM
ニッケルクロム鋼,SNC
ステンレス鋼,SUS
軸受鋼,SUJ
耐熱鋼,SUH

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