S20CK(機械構造用炭素鋼)の機械的性質や成分の一覧

2010年8月14日更新

浸炭はだ焼き専用鋼で、炭素含有量の代表値が0.20%のものです。そのまま生材として使われることはありません。浸炭は金属の表面の硬度をあげるために、炭素を添加する処理のことで、耐磨耗性もあげることが出来ます。強度や磨耗に強い必要のある機械用の鋼材ではよく行われます。

S20CKの化学成分(代表値)
材料記号 C Si Mn P S
S20CK 0.18〜0.23 0.15〜0.35 0.30〜0.60 0.025以下 0.025以下
S20CKの熱処理温度(焼ならし、焼なまし、焼入れ、焼戻し)
種類 変態温度
(℃)
熱処理温度
(℃)
Ac Ar 焼ならし 焼なまし 焼入れ 焼戻し
S20CK 720〜845 815〜730 870〜920空冷 約860炉冷 1次870から920油(水)冷
2次750から800水冷
150〜200空冷
S20CKの機械的性質(降伏点、引張強さ、伸び、絞り、硬度)
種類 機械的性質
熱処理 降伏点
N/mm2
引張強さ
N/mm2
伸び
%
絞り
%
衝撃値
(シャルピー)
J/cm2
硬度
HBW
S20CK 焼きなまし - - - - - 114〜153
焼入れ・焼戻し 390以上 540以上 18以上 45以上 98以上 159〜241

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