鉄(元素記号 Fe)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など

2012年8月30日更新

鉄は工業材料として、また人体にも不可欠な元素であり、古代から知られ活用されてきた金属元素の代表格です。

純鉄として、あるいは鉄鋼材料として工業を支えてきた元素でもあります。鉄は錆びやすいとのイメージがあり、これに対し、ステンレスなどの錆びにくい鉄鋼材料があるわけですが、高純度の鉄は大気中ではほとんど錆びません。

鉄鋼を作るには、鉄鉱石だけでなく、石炭(コークスとして)、石灰石が必要となります。まずは鉄鉱石から高炉を用いて銑鉄を抽出することからはじまり(製銑)、ここで銑鉄が取り出され、続いて不純物を取り除く工程があり、成分の調整が行われます。

高炉から出した銑鉄は、炭素の量が多く、硬くて脆い、強度に欠ける状態になっています。ここから炭素量を実用的なレベルにまで落とすのと、他の元素を添加して硬さだけでなく、強度や粘りなどをの性質を付与していきます。

鉄は単体ではあまり多くの分野には使うことができませんが、鉄鋼(いわゆる鋼)にすることで、多様な産業、用途で使うことが出来る材料に生まれ変わります。

なお、日本は鉄鉱石そのものをオーストラリアから輸入することが多いですが、埋蔵量自体は、ロシアやウクライナ、中国、ブラジル、インドなどでも多いと言われています。

鉄(元素記号 Fe)が活用されている分野

  • 体内の必須元素として
  • 鉄鋼材料
  • 合金材料
  • 磁性材料
  • 顔料
  • ベンガラ
鉄(元素記号 Fe)の特性、物性
分類 金属元素
電子配置 3d64s2
英語 Iron
原子量 55.85
同位体 54Fe、56Fe、57Fe、58Fe
融点 1538℃
沸点 2862℃
密度 7.87g/cm3
比重
硬度 モース硬度4
色、形状 銀白色、灰色
20℃、1atmでの状態 固体
線膨張率
(α/10-6K-1
100K:5.6
293K(20℃):11.8
500K:14.4
800K:16.2
鉄(元素記号 Fe)の電気抵抗(ρ/10-8Ω・m)※純鉄
700℃ 85.5
300℃ 31.5
100℃ 14.7
0℃ 8.9
−195℃ 0.7
鉄(元素記号 Fe)の熱伝導率(W・m-1・K-1
700℃ 34
300℃ 56
100℃ 72
0℃ 83.5
-100℃ 99

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