S15CK(機械構造用炭素鋼)の機械的性質や成分の一覧

2010年8月14日更新

炭素鋼のうち、浸炭はだ焼き専用鋼で、炭素含有量の代表値が0.15%のものです。生材や前述の処理以外はあまりされることがありません。浸炭は金属材料の表面のみを硬化させるという特殊な処理で、内部を柔軟なままにしておくことで、表面の耐摩耗性を高めつつ、靭性のある、いわゆる粘りのある金属材料を実現することが出来ます。「硬度」と「強度」にはある程度相関がありますが、両者は完全に相関しているわけではない点に留意する必要があります。

S15CKの化学成分(代表値)
材料記号 C Si Mn P S
S15CK 0.13〜0.18 0.15〜0.35 0.30〜0.60 0.025以下 0.025以下
S15CKの熱処理温度(焼ならし、焼なまし、焼入れ、焼戻し)
種類 変態温度
(℃)
熱処理温度
(℃)
Ac Ar 焼ならし 焼なまし 焼入れ 焼戻し
S15CK 720〜880 845〜770 880〜930空冷 約880炉冷 1次870から920油(水)冷
2次750から800水冷
150〜200空冷
S15CKの機械的性質(降伏点、引張強さ、伸び、絞り、硬度)
種類 機械的性質
熱処理 降伏点
N/mm2
引張強さ
N/mm2
伸び
%
絞り
%
衝撃値
(シャルピー)
J/cm2
硬度
HBW
S15CK 焼きなまし - - - - - 111〜149
焼入れ・焼戻し 345以上 490以上 20以上 50以上 118以上 143〜235

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