FCV450の機械的性質、引張強さ、耐力、伸び、硬度、ポアソン比、熱伝導率、熱膨張率|CV黒鉛鋳鉄品の規格

2013年7月24日更新

FCV450は磨耗抵抗に優れているため、シリンダライナー、列車用ブレーキディスクなどの用途もあります。同系統のFCV400に比べてさらに強度が強く、剛性や摩耗抵抗でもこちらが優れますが、機械加工性には劣ります。自動車用のシリンダブロックやシリンダヘッドの用途があり、他に、ポンプ部品、ハウジング、油圧部品全般にも使われます。金属組織はパーライトがメインです。

FCV450の機械的性質

FCV450の引張強さ、0.2%耐力、伸び、硬度
【別鋳込みの場合】
CV黒鉛鋳鉄の種類 引張強度
N/mm2
0.2%耐力
N/mm2
伸び
ブリネル硬さ
HBW 10/30(参考値)
FCV450/S 450以上 315以上 1.0以上 170から250
FCV450の引張強さ、0.2%耐力、伸び、硬度
【本体付きの場合】
CV黒鉛鋳鉄の種類 厚み t(対象となる肉厚)
mm
引張強度
N/mm2
0.2%耐力
N/mm2
伸び
ブリネル硬さ
HBW 10/30(参考値)
FCV450/U t≦12.5 450以上 315以上 1.0以上 170から250
12.5<t≦30 450以上 315以上 1.0以上 170から250
30<t≦60 400以上 280以上 1.0以上 170から250
60<t≦200 375以上 260以上 1.0以上 170から250

温度によるFCV450の機械的性質、物理的性質の変化

FCV450の機械的性質、弾性係数、疲労限度、ポアソン比、密度、比重、熱伝導率、熱膨張係数、比熱
物理特性・熱的特性 単位 温度 FCV450
引張強度 N/mm2 23℃ 450から525
100℃ 425から500
400℃ 350から425
0.2%耐力 N/mm2 23℃ 315から365
100℃ 290から340
400℃ 265から315
伸び 23℃ 1.0から2.5
100℃ 1.0から2.0
400℃ 0.5から1.5
弾性係数 kN/mm2 23℃ 145から155
100℃ 140から150
400℃ 135から145
疲労限度比、回転曲げ疲労試験 23℃ 0.45から0.50
疲労限度比、引張圧縮疲労試験 23℃ 0.25から0.35
疲労限度比、3点曲げ疲労試験 23℃ 0.60から0.70
ポアソン比 - - -
密度、比重 g/cm3(密度) 7.0から7.2
熱伝導率 W/(m・K) 23℃ 38
100℃ 37
400℃ 36
熱膨張係数 μm/(m・K) 100℃ 11
400℃ 12.5
比熱 J/(g・K) 100℃ 0.475

「JIS G 5505 CV黒鉛鋳鉄品」に規定のある材料記号

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