構造用高張力炭素鋼及び低合金鋼鋳鋼品(SCC, SCMn, SCMnCr, SCCrM等)の用途、機械的性質、成分の一覧

2013年6月24日更新

主として構造用のための鋳鋼品のうち、耐摩耗性があり強靭性が必要な場合に用いられる鋼材です。低合金鋳鋼品とも言われます。鋼材を強化するための元素として、Mn(マンガン)、Si(シリコン)、Cr(クロム)を添加しています。また耐熱性を上げるためにはMo(モリブデン)を添加します。歯車をはじめ、耐摩耗性を特に上げたものが必要な場合は、MnやCrを添加したものが適しています。

なお、添加している合金元素の比率の高い、いわゆる高合金鋳鋼品については、個別に規格されているものもあります。

研削や研磨を行う際には、ハイテン材かどうか、降伏点や引張強さ等は実際のところあまり着目されず、熱処理の有無やその種類、硬度、切りくずの形状、材料の粘り強さ等が注目されます。SCC、SCMn、SCMnCr、SCCrM等の構造用高張力炭素鋼の加工にはWA系の研削砥石かCBN砥石が適しています。

鋳鋼品 普通鋳鋼品 SCSCW
構造用炭素鋼・低合金鋳鋼 SCC, SCMn, SCMn, SCMnCr, SCCrM
高合金鋳鋼 SCS, SCH, SCMnH
その他 -

「JIS G 5111 構造用高張力炭素鋼及び低合金鋼鋳鋼品」に規定のある材料記号

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