機械構造用炭素鋼の用途、機械的性質、成分の一覧

2010年8月14日更新

機械構造用鋼材のなかでも、最もよく使われる炭素鋼鋼材で、S45CなどSxxCのxx部分の数字が炭素の比率(代表値)を表しています。実際にはこの部分はある程度の幅があります。実際によく使われる鋼種としては、S20CからS55Cあたりで、機械の部品・部材を中心に幅広く使われる材料です。用途の一例をあげると、ポンプ、ブロア、コンプレッサ、回転式機械の回転軸、油圧ジャッキ、往復動型の軸材料、軸材各種、ボールねじ・台形ねじの軸材、移動台車用のレール材、ギヤ、スパナ、パイプレンチ、ハンマなどの工具類にも使われます。また砥石との関連では、電着砥石の台金(砥粒層を付ける台座、シャンクともいいます)にS45Cの生材がよく使われます。なお、軸材や工具材などのほとんどの用途ではS45CとS55Cは必ず熱処理(焼入れ、焼き戻し、調質)をして用います。なお、こうした熱処理は鋼材の大きさ(マス)によって大きく変化するため(マス・イフェクトまたはサイズ・イフェクト、あるいはマスエフェクト)、SxxC材の適用が難しい局面では、構造用合金鋼(SCr, SMn, SMnC, SCMなど)の使用が検討されます。

鋼材メーカーで下記規定の相当材料を使う場合、メーカーによっても差が出ることがあります。

S-C材の炭素量は0.08〜0.6%ですが、これ以上になるとSK材になります。また最後のKがついている材料記号、例えばS20CKなどは浸炭はだ焼き専用鋼になります。Kは高級のKからとった記号です。浸炭を行うことで、炭素量の少ない材料でも表面に強度を持たせることが出来ます。

なお、JIS規格では23種類の鋼材が規定されています。

炭素鋼の研削や研磨を行う場合、表面粗さを0.8〜1.6Ra程度に仕上げるのであれば、研削砥石ならばWA砥石(砥粒にWA:ホワイトアランダムを用いた一般研削砥石)もしくはA砥粒を用いたものが一般的です。ただしこれはHRCが25以下を想定した選定で、硬度が高い場合や、研削効率を上げる必要がある場合は、CBN砥石(CBNホイール)を用います。

「JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材」に規定のある材料記号

機械構造用炭素鋼の材料記号の変遷
1950年 1953年 1956年 1965年 1979年
S10C S10C S10C S10C S10C
S12C S12C
S15C S15C S15C S15C S15C
S17C S17C
S20C S20C S20C S20C S20C
S22C S22C
S25C S25C S25C S25C S25C
S28C S28C
S30C S30C S30C S30C S30C
S33C S33C
S35C S35C S35C S35C S35C
S38C S38C
S40C S40C S40C S40C S40C
S43C S43C
S45C S45C S45C S45C S45C
S48C S48C
S50C S50C S50C S50C S50C
S53C S53C
S55C S55C S55C S55C S55C
S58C S58C
SH50 S9CK
S15CK
S9CK S9CK S09CK
S15CK S15CK
S20CK S20CK

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