Y2O3(酸化イットリウム)の特性

2011年5月8日更新

Y2O3は短波長域のレーザーや赤外域での反射防止膜としても興味深い材料の一つです。比較的高い屈折率を持ち、透過波長域が紫外から赤外にかけて広いことから、中間屈折率材料として膜設計に組み込まれることもあります。

膜特性(Y2O3 酸化イットリウム)
屈折率 1.87(550 nm近辺)
使用波長域 0.3 〜 12μm
蒸発方法 EB(電子ビーム)
蒸発源材料 -
蒸発タイプ -
膜質 非晶質(基板加熱により一部結晶質)、硬い
応力 圧縮
主な用途 多層膜、絶縁膜
Y2O3の材料特性(一般的なバルクの物性値)
理論密度 5.03g/cm3
融点 2410℃
沸点 〜4300℃ ※1
性質 水溶性:不溶
耐薬品性(酸、アルカリ):酸に可溶、アルカリに不溶 ※1
結晶構造 立方晶系 Sc2O3型 ※2
抵抗率ρ/10^-8Ωm
誘電率、比誘電率εγ
熱膨張係数 7.3 x 10^-6 ※3
熱伝導率(cal/cm/sec/℃) 3.19 x 10^-2 ※3
比熱(cal/℃/mole) 27.09 127T(℃) ※3
外観 白色
CAS-NO 1314-36-9
輸送情報 輸出貿易管理令(リスト規制非該当)

参照文献

  • ※1:[日本化学会編,“化学便覧 基礎編 改訂5版”,丸善(2005),p.T-358]
  • ※2:[日本化学会編,“化学便覧 基礎編 改訂5版”,丸善(2005),p.U-838]
  • ※3:生産現場における光学薄膜の設計・作製・評価技術 監修/小倉繁太郎 技術情報協会 2001年1月22日 第7章第11節『紫外線波長用フィルター』p266-267 小倉繁太郎

専門誌等で発表されているY2O3の薄膜に関する研究論文

掲載誌 APPLIED OPTICS Vol. 36, No. 10 / 1 April 1997 p.2157-2159
タイトル "Optical and durability properties of infrared transmitting thin films"
著者 Jennifer D. Traylor Kruschwitz, Walter T. Pawlewicz
概要 赤外域での透過領域を持つ14の酸化物とフッ化物(Bi2O3, Cr2O3, HfO2, Ta2O5, Y2O3, ZrO2, CaF2, CeF3, HfF4, LaF3, NdF3, PbF2, SrF2, YbF3)について、赤外域での屈折率、消衰係数、基板との密着性、耐摩耗性(MIL規格)の観点から最適な材料を検証した研究論文
掲載誌 APPLIED OPTICS Vol. 18, No. 1 / 1 January 1979 p.111-115
タイトル "Refractive index of some oxide and fluoride coating materials"
著者 David Smith and Philip Baumeister
概要 250-2000nmにおけるTa2O5, HfO2, Y2O3, La2O3, ZrO2, CeO2, CeF3, LaF3, NdF3, MgF2の屈折率についての研究論文

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