軟鋼線材の規格|SWRM材の成分・材質、特性について

2014年3月10日更新

軟鋼線材とは、炭素量0.08%以下のものから、最大で炭素量0.25%までの「軟鋼」を線材にした8種類の規格材料です。SWRMからはじまる記号で表記されます。主に、釘、リベット、ワリピン、鉄線、亜鉛めっき鉄線、溶接金網、有刺鉄線、建築金具、木ネジ、小ネジなどの製造に使われますが、基本は細物の伸線用で、精度ものには不向きであり、冷間加工を行う場合は他の適した候補があるため、精密さが求められる用途でのねじやボルトとしては使われることはほとんどない材料です。「くぎ」の材料としての利用が多い為、釘の素材としての知名度の方が高い材料かも知れません。

線材としてみた場合、強度にバラつきが出てしまう為、冷間圧造用炭素鋼線に比べると、精度だけでなく強度の必要な部品として使うには難しい素材です。

規格では8種類(特に低い炭素量となるSWRM2とSWRM4を含むと10種類)について規定されており、内容は成分、線材の標準径(直径)、許容公差、偏径差について値が定められています。

引張強度や降伏点、耐力、伸びといった機械的性質については規格には定められていませんが、もともと炭素量が低く抑えられている鋼材であるため、厳密な精度を気にしないのであれば、伸びのよさは期待できます。

成分、寸法、外観のみの簡易な規格内容ですが、機械的性質についてはこの軟鋼線材から別の製品に加工された際、例えば鉄線であれば、鉄線の規格で規定される等、製品ごとに規格化されています。

近年はJISを国際規格であるISOとの整合性をとる動きも活発化しているため、軟鋼線材としてはISO16120−1、ISO16120−2に内容をあわせてあります。

なお、末尾にKがつく場合は、キルド鋼由来のものであることを示しています。(例:SWRM10K)

軟鋼線材の径、サイズ、寸法

寸法については、直径が5.5ミリから19ミリが標準のサイズとなっています。

軟鋼線材の標準径(ミリ)
軟鋼線材の直径(標準寸法)
5.5
6.4
9.5
10
11
12
13
14
15
16
17
19

軟鋼線材の寸法公差、偏径差

軟鋼線材の許容公差については、線のもつ直径のサイズによって異なります。

軟鋼線材の寸法公差、寸法許容差、偏径差
(単位:ミリ)
許容差 偏径差
15mm以下 ±0.40mm 0.64mm以下
15mmを超え25mm以下 ±0.50mm 0.80mm以下
25mmを超えるもの ±0.60mm 0.96mm以下

「JIS G 3505 軟鋼線材」に規定のある材料記号

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