切削ねじと転造ねじの違い

2014年3月1日更新

ねじは、丸棒などの棒材から製造されますが、この際の製造方法により強度に違いが出ることが知られています。具体的には、転造ねじのほうが強度面で切削ねじよりも最大2割程度強くなると言われており、さらに伸びについても2割ほど大きくなるとされます。双方とも靭性にかかわるパラメータが向上するため、破断強度に直接影響します。この理由は製造方法の違いに起因します。

鋼材は金属組織を内部に持っていますが、これには流れが存在し、これをファイバーフローや鍛流線と呼んだりします。いわゆる木材に見られる木目や繊維方向のようなものです。

転造ねじの場合、鋼材を切削せずにねじ山と谷の部分を塑性加工によって押し込むようにして加工するため、切りくずが出ず、鋼材のなかにある鍛流線が途中で切れません。また連続した鍛流線が維持されます。転造はいわば鍛造のように、たたいて鋼材の形状を作っていく技法です。

対して、切削ねじの場合、鋼材を削って谷と山を作っていくため、加工のしやすさに優れ、様々な形状についても容易に製造することができる反面、鋼材の繊維である鍛流線は途中で切れることになります。粘り強さに違いが出るのはこのためで、特に破断強度などが重要となる用途では、鍛流線の方向まで考えた加工が求められることがあり、転造ねじに軍配が上がります。

ただし、J型アンカーボルト、L型アンカーボルトなどボルトやネジの軸部分がせん断耐力を受けるような場合は、軸が太い方が有利となる為、メーカーによっては切削ネジを選択した方がよいケースもあります。

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