SPCCの規格、板厚、成分、比重、寸法・サイズ、引張強さ|冷間圧延鋼板

2013年2月7日更新

SPCCは最も一般的な冷間圧延鋼板ともいわれ、ミガキ、コールド、ミガキ鋼板とも呼ばれることもあります。表面は滑らかで見栄えがよいですが、オイルなどにより一時的に錆び難くしているだけのため、加工後は塗装やめっき処理を行わないとほぼ確実に錆びていきます。一般的な成形性を求められるプレス加工から、絞り加工(深絞りには不向き)まで幅広く使うことができます。SPCCをSPCCTと表記しているものは、引張強さの値を保証している鋼板です。

プレス加工のうち、パンチ、曲げ加工などに向いていますが、鋼板によって規格値で指定されているパラメータの上と下のばらつきが大きいといわれる鋼板でもあります。

SPCCの表記記号として、例えば以下のような表記がなされている場合は、SPCCが種類で、Tがついているものは引張強さの値を保証している鋼板を意味し、ハイフンでつながっているSは調質記号、続くDが表面仕上げ記号。

  • SPCCT-S D

なお、SPC材に限りませんが、鋼板の寸法には独特の呼び名があり、サブロク(3'x6'、914x1829)、シハチ(4'x8', 1219x2438)、ゴトウもしくはゴットウ(5'x10', 1524x3048)などと呼ばれることがあります。

SPCCの比重

鋼板は一律、7.85となります。この値を元に、鋼板の重量を計算することができます。熱間圧延鋼板も同様に7.85を比重としており、特殊な処理や元素、成分を含んでいない限り、鋼板の場合はほぼ同じと考えられます。

SPCCの成分

SPCCの成分(%)
鋼板の種類、記号 C(炭素) Mn(マンガン) P(リン) S(硫黄)
SPCC 0.15以下 0.60以下 0.100以下 0.035以下

SPCCの引張強さ、降伏点、耐力、伸び

ただし、SPCCのうち引張試験の値を保証したタイプはSPCCTと材料記号の末尾にTをつける慣わしとなっています。

引張試験片は、5号試験片を圧延方向。

降伏点は規格値ではなく、参考値。

SPCCの機械的性質(引張強さ、降伏点、耐力、伸び)
鋼板の種類 引張強さ(N/mm2 降伏点、耐力(N/mm2 伸び(%)
板厚(mm)
0.25以上0.30未満 0.30以上0.40未満 0.40以上0.60未満 0.60以上1.0未満 1.0以上1.6未満 1.6以上2.5未満 2.5以上
SPCC 270以上 - 28以上 31以上 34以上 36以上 37以上 38以上 39以上

SPCCの板厚

SPCCの標準の板厚としては下表のものになります。

SPCC(冷間圧延鋼板)の板厚の種類(0.4mm以上3.2mm以下)
板厚(単位:mm)
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
1.2
1.4
1.6
1.8
2.0
2.3
2.5
2.6※
2.8
2.9※
3.2
SPCCの板厚の許容公差(大幅:A)
板厚の範囲(mm) 板厚の幅(mm)
630未満 630以上1000未満 1000以上1250未満 1250以上1600未満 1600以上
0.25未満 ±0.03 ±0.03 ±0.03
0.25以上0.40未満 ±0.04 ±0.04 ±0.04
0.40以上0.60未満 ±0.05 ±0.05 ±0.05 ±0.06
0.60以上0.80未満 ±0.06 ±0.06 ±0.06 ±0.06 ±0.07
0.80以上1.00未満 ±0.06 ±0.06 ±0.07 ±0.08 ±0.09
1.00以上1.25未満 ±0.07 ±0.07 ±0.08 ±0.09 ±0.11
1.25以上1.60未満 ±0.08 ±0.09 ±0.10 ±0.11 ±0.13
1.60以上2.00未満 ±0.10 ±0.11 ±0.12 ±0.13 ±0.15
2.00以上2.50未満 ±0.12 ±0.13 ±0.14 ±0.15 ±0.17
2.50以上3.15未満 ±0.14 ±0.15 ±0.16 ±0.17 ±0.20
3.15以上 ±0.16 ±0.17 ±0.19 ±0.20
SPCCの板厚の許容公差(小幅:B)
板厚の範囲(mm) 板厚の幅(mm)
160未満 160以上250未満 250以上400未満 400以上630未満
0.10未満 ±0.010 ±0.020
0.10以上0.16未満 ±0.015 ±0.020
0.16以上0.25未満 ±0.020 ±0.025 ±0.030 ±0.030
0.25以上0.40未満 ±0.025 ±0.030 ±0.035 ±0.035
0.40以上0.60未満 ±0.035 ±0.040 ±0.040 ±0.040
0.60以上0.80未満 ±0.040 ±0.045 ±0.045 ±0.045
0.80以上1.00未満 ±0.04 ±0.05 ±0.05 ±0.05
1.00以上1.25未満 ±0.05 ±0.05 ±0.05 ±0.06
1.25以上1.60未満 ±0.05 ±0.06 ±0.06 ±0.06
1.60以上2.00未満 ±0.06 ±0.07 ±0.08 ±0.08
2.00以上2.50未満 ±0.07 ±0.08 ±0.08 ±0.09
2.50以上3.15未満 ±0.08 ±0.09 ±0.09 ±0.10
3.15以上 ±0.09 ±0.10 ±0.10 ±0.11

SPCCの幅の許容公差

ストレッチャーレベラー仕上鋼板(歪み矯正がなされている鋼板)はプラス側の公差の規定がありません。冷間圧延鋼板の寸法許容差は、厚みだけでなく、幅、長さともに規定があります。精度は熱間圧延鋼板よりも高くなります。

幅の許容公差(普通の切断)
幅1250mm未満 幅1250mm以上
+7, 0 +10, 0
幅の許容公差(再切断、精密切断を行った場合)
幅1250mm未満 幅1250mm以上
+3, 0 +4, 0
幅の許容公差(スリットを行ったもの)
板厚(mm) 板の幅(mm)
160未満 160以上250未満 250以上400未満 400以上630未満
0.60未満 ±0.15 ±0.20 ±0.25 ±0.30
0.60以上1.00未満 ±0.20 ±0.25 ±0.25 ±0.30
1.00以上1.60未満 ±0.20 ±0.30 ±0.30 ±0.40
1.60以上2.50未満 ±0.25 ±0.35 ±0.40 ±0.50
2.50以上4.00未満 ±0.30 ±0.40 ±0.45 ±0.50
4.00以上5.00未満 ±0.40 ±0.50 ±0.55 ±0.65

SPCCの長さの許容公差

こちらについても他の冷延鋼板と同様に、ストレッチャーレベラー仕上鋼板はプラス側の公差規定はありません。

長さの許容公差(通常の切断)
長さ 許容公差
2000未満 +10, 0
2000以上4000未満 +15, 0
4000以上6000未満 +20, 0
長さの許容差(再切断、精密切断)
長さ 許容公差
1000未満 +3, 0
1000以上2000未満 +4, 0
2000以上3000未満 +6, 0
3000以上4000未満 +8, 0

SPCCの調質記号と硬度、伸び

下表の引張強さと伸びは、厚さ0.25mm以上幅30mm以上に適用されます。

SPCCの調質記号と硬度
調質の種類 調質記号 硬度:ロックウェル硬さ(HRBS、HRBW) 硬度:ビッカース硬さ(HV) 引張強さ(N/mm2 伸び(%)
焼きなました状態のまま A 57以下 105以下
標準調質 S 65以下 115以下
1/8硬質(SPCCのみ) 8 50〜71 95〜130 290〜410 25以上
1/4硬質(SPCCのみ) 4 65〜80 115〜150 370〜490 10以上
1/2硬質(SPCCのみ) 2 74〜89 135〜185 440〜590
硬質 1 85以上 170以上 550以上

SPCCの表面仕上げ

表面仕上げは、焼きなましのままの状態である調質記号「A」がついた鋼板には適用しません。

冷延鋼板の表面仕上げ
仕上げの種類 表面仕上げ記号 詳細
ダル仕上げ D つや消し仕上げ。物理的、もしくは化学的に表面を粗くしたロールで仕上げる。
ブライト仕上げ B 滑らかなロールで表面を平滑に仕上げたもの。

「JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯」に規定のある鋼板の種類と材料記号

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