SAPH(自動車構造用熱間圧延鋼板)鋼材の規格、板厚、比重、機械的性質

2013年2月1日更新

SAPHは、自動車のボディーや部品によく使われる鉄鋼材料の一つです。比重は7.85が基本となります。通常の鋼板よりも高い引張強さをもち、衝撃にも強い高張力鋼板で、別名ハイテン材とも呼ばれます。SはSteel(ハガネ)、AはAutomobile(自動車)、PはPress(圧延)、HはHot(熱間)の意味があります。

成分については、硫黄とリンの上限のみ指定されており、溶鋼分析(とりべ分析)での値となっています。用途としては、規格名にもあるとおり、自動車用がメインになりますが、それ以外にも電気機器用、建築材料用など加工性のよい構造用の圧延鋼で高張力性能が必要な場合には採用される鋼材です。鋼板と、鋼帯ともに同じ規格となります。

自動車の構造用として採用されているのは、SAPHを使うと鋼板を薄くして軽量化をはかっても強度を維持できるからで、車体全体の軽量化が重要視されている自動車の分野の要望に適っているといえます。

但し、自動車の車体(ボディー)のすべてにこの鋼板が使われているわけではなく、ボンネットの外板(天板)は冷間圧延鋼板が使われたりしています。

高張力鋼板は、引張強さを出すために、通常の鋼板とは異なる合金元素を添加しています。

高張力鋼板がなぜ強い引張強度を持ち、衝撃に対しても強いのかは成分だけでなく、鋼を構成する組織の構造にもよります。金属は一定以上の力を受けると、加工硬化といって金属組織が変わり、硬度が上がる性質を持ちます。高張力鋼板のうち、TRIP鋼と呼ばれる鉄鋼を使ったものは、衝撃を受けた際に金属組織が変化する構造をしており、それによって衝撃を吸収します。

SAPHの規格には、引張強さに応じて4種類の鋼板が規定されています。SAPHの板厚は、SAPH310、SAPH370、SAPH400、SAPH440のいずれも1.6mm以上14mm以下と規定されていますので、これを熱間圧延鋼板の寸法規格にあわせると、板厚のタイプは以下のようになります。

SAPHの板厚の種類(1.6mm以上14mm以下)
板厚(単位:mm)
1.6
1.8
2.0
2.3
2.5
2.6※
2.8
2.9※
3.2
3.6
4.0
4.5
5.0
5.6
6.0
7.0
8.0
9.0
10.0
11.0
12.0
12.7
13.0
14.0
15.0
16.0

「JIS G 3113 自動車構造用熱間圧延鋼及び鋼帯」に規定のある材料記号

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