ディスクレが生じたことを英語で伝える

2014年9月3日更新
ディスクレが生じたことを英語で

ディスクレとは、英語でdiscrepancyといいますが、貿易で決済手法にL/Cを使っている場合に起きる書類内容の不一致・差異のことです。出荷時のB/Lやインボイスに記載されている内容がL/Cの記載内容とわずかでも違うと、この仕組みは機能しません。具体的には仲介している銀行からディスクレがあるので買取(代金支払)金額を立て替えることができないという連絡がきます(銀行から支払いを受けられないので製品代金が現金化できない)。ディスクレの起きた箇所をアメンド(修正)し、取引先へしかるべき手続きを依頼することになります。【参考:L/C決済の流れと仕組み

海外得意先との貿易においてもっともポピュラーな代金決済方法でもあるL/Cは、銀行が書類を買い取る形式をとるため、代金を貰い損ねたり、品物を受け取り損ねたりといった売り手と買い手のリスクを最小限にすることができます。またリスクという面ではイーブンにできるため、形式上、片方が大きなリスクを覚悟する必要がないフェアな取引とすることができます。

これを可能としているのは、銀行が仲介役として、取引に絡んだ書類を買い取る形をとっているためですが、ひとつ問題があるとすれば、書類には一言一句のミスが許されないという点です。輸出する側の例でいえば、日本側の買取銀行には、品物の権利書でもあるB/L等の船積書類を買い取ってもらい、買取銀行はこのB/Lを相手のL/C発行銀行へ送付し、L/C発行銀行は輸入者(買い手)の代金支払を受けてからこのB/Lの原本を渡すことになります。

この場合、B/Lやインボイスに書かれている内容に違いが生じてしまうと、銀行は「ディスクレ」が起きているということで買取を拒否することができます。これがディスクレの意味です。

ディスクレがおきていても、相手方を通じてアクセプトしてもらえれば相応の手数料を銀行に払うことで代金の支払いを仲介してもらうことが可能となります。これをケーブル・ネゴ(Cable inquiry, Cable negotiation)と呼びます。ほかにL/G(Letter of Guarantee)を差し入れる手法等もあります。

ディスクレの対応方法の例

ケーブルネゴ

あらかじめ、輸出側から輸入側(買い手)に対してディスクレが起きているがそれをアクセプトしてもらうよう依頼し、買取銀行からL/C発行銀行へあらかじめディスクレがあるが買取を行う旨の許諾をもらっておくという内容。銀行にもよるかと思うが、まずは取引する輸出者、輸入者の間で合意を得ておく必要がある。

L/G差し入れ

売り手(輸出側)がL/Gを買取銀行に対して差し入れることで、とりあえず代金の支払を先に受けることができる。ディスクレのため、買取銀行がもし相手の発行銀行経由で支払いを受けることができなかった場合は、B/L等の船積書類を買い取ってくれた代金を返金するという内容の覚書のようなもの。

以下の例は、ケーブル・ネゴによるディスクレ対応の依頼を相手に行ったケースです。このケースでは、次のようなディスクレが起きています。

  • 香港でのストライキにより船の出港スケジュールが急遽変わり、B/Lの日付が変わってしまった。すでに送付済みのインボイスとも差異が発生。
  • 船名が変わった

Dear Mr. Jacobson,

Regrettably, we have to inform you about the discrepancy occurred to the documents related to INV NO. ABC-123. We have already sent this by DHL (please refer to DHL SHIPPING NO.99999999) on May 14th.

1. Discrepancy for B/L Ocean vessel
As for the "Ocean vessel" indicated in this B/L, you will see as "WAN HAI 1233", but this should be "WAN HAI 1234" as shown in our Invoice and Packing list. We are currently asking to our forwarder to revise B/L for this part. We will send this as soon as it is revised, so please replace the B/L with this new one. (We are expecting to receive this revised B/L on May 17th)

2. Discrepancy for port departure date
Also, we've expected this ship to depart on May 9th, but again, due to the strike in Hong Kong, the actual shipment date shifted to May 12th.

Possibly, our bank will point out this difference so please be noted and accept this discrepancy as well.

We appreciate your kind cooperation.

ヤコブソン様

恐縮ですが、インボイスNO. ABC-123の件でディスクレが生じたことをご連絡しなければなりません。このインボイスはすでにDHLで5月14日にそちらへお送りしています。

1.B/L記載の船名のディスクレ
B/L記載の船名は"WAN HAI 1233"となっておりますが、インボイスやパッキングリストにありますとおり、正しくは"WAN HAI 1234" となります。当社のフォーワーダーにB/Lのリバイスを依頼しています。修正が完了次第、そちらへお送りしますので差し替えいただきたく。(5月17日はB/Lを受領予定です)

2.出港日のディスクレ
5月9日に出港を予定していましたが、ふたたび香港のストライキにより実際の出港は5月12日にずれこみました。

これについても買取銀行からディスクレの連絡が届くことになるため、このディスクレにつきましてもアクセプトいただくようお願い申し上げます。

以上ご協力のほど何卒お願い申し上げます。

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