SZACD4の成分、材質、機械的性質、メッキ厚、板厚について|ガルタイト鋼板、ガルファン鋼板、溶融亜鉛−5%アルミニウム合金メッキ鋼板の特徴と種類
SZACD4鋼板の特徴
SZACD4は溶融亜鉛−5%アルミニウム合金メッキ鋼板のうち、絞り加工用の中でも唯一、非時効性が指定されたグレードとなります。同規格では、絞り加工用のものは4種類ありますが、このグレードのみ非時効性と呼ばれる性能が要求されており、これは絞り加工を行った際に、金属の加工面にでてくる縞模様であり、高速で行うほどに出やすくなる不良の一種です。
板厚の範囲は0.60ミリから2.3ミリまでと規定されており、炭素量は0.06%以下と、特別極軟鋼に相当するやわらかく、伸びやすい冷延鋼板となります。
SZACD4鋼板の特性
SZACD4鋼板の比重
他の鋼板と同様、SZACD4も7.85が基本となります。メッキが付着した状態の比重については、個別に算出することになります。
SZACD4鋼板の成分、材質
鋼板の種類 | C(炭素) | Mn(マンガン) | P(リン) | S(硫黄) |
---|---|---|---|---|
SZACD4 | 0.06以下 | 0.45以下 | 0.03以下 | 0.03以下 |
SZACD4の機械的性質
このグレードでは製造後半年は、加工時にストレッチャストレイン(絞り加工を行った際に板の表面に出来る縞模様)が出ないことが条件となっています。加工速度がはやいような場合、特にこの皺のような模様が出てしまう為、こうしたグレードの使用検討を行うことになります。
鋼板の種類 | 降伏点、耐力 N/mm2 |
引張強さ N/mm2 |
伸び (単位:%) |
試験片と方向 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
板厚(表示厚さ) (単位:ミリ) |
||||||||
0.25以上0.40未満 | 0.40以上0.60未満 | 0.60以上1.0未満 | 1.0以上1.6未満 | 1.6以上2.3以下 | ||||
SZACD4 | − | 270以上 | - | 40以上 | 42以上 | 43以上 | 44以上 | 5号、圧延方向 |
SZACD4鋼板の板厚と寸法、サイズ
SZACD4鋼板のメッキ厚
溶融亜鉛メッキ法によるもので、メッキ付着量とメッキ厚については、下記となります。
溶融亜鉛−5%アルミニウム合金メッキ鋼板の一覧|JIS G 3317 溶融亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板及び鋼帯に規定された材料記号
鋼板の種類 | 板厚の範囲 | 用途 |
---|---|---|
SZAHC | 1.6ミリ以上4.5ミリ以下 | 一般用 |
SZAH340 | 高強度用 | |
SZAH400 | ||
SZAH440 | ||
SZAH490 | ||
SZAH540 |
鋼板の種類 | 板厚の範囲 | 用途 |
---|---|---|
SZACC | 0.25ミリ以上2.3ミリ以下 | 一般用 |
SZACH | 0.25ミリ以上1.0ミリ以下 | 硬質用 |
SZACD1 | 0.40ミリ以上2.3ミリ以下 | 絞り用(1種) |
SZACD2 | 絞り用(2種) | |
SZACD3 | 0.60ミリ以上2.3ミリ以下 | 絞り用(3種) |
SZACD4 | 絞り用(4種) | |
SZAC340 | 0.25ミリ以上2.3ミリ以下 | 高強度用 |
SZAC400 | ||
SZAC440 | ||
SZAC490 | ||
SZAC570 | 0.25ミリ以上2.0ミリ以下 |
スポンサーリンク
>このページ「SZACD4の成分、材質、機械的性質、メッキ厚、板厚について」の先頭へ
- 加工材料の性質と特徴(目次)へ戻る
- ガルタイト鋼板、ガルファン鋼板、溶融亜鉛−5%アルミニウム合金メッキ鋼板の一覧
- 鋼板の規格と種類の一覧
- 溶融亜鉛メッキ鋼板の種類と規格|メッキ付着量や強度、比重などの特徴
- 電気亜鉛メッキ鋼板の特徴と規格、比重、成分、板厚、メッキ厚について
- ステンレスの酸化皮膜、不動態皮膜とは何ですか?
- アルミニウム合金の特性と種類、用途について
- 亜鉛合金の種類と特徴|亜鉛合金、ザマック金属の強度、融点、比重、成分
- めっきの種類と特徴
- アルミニウム(元素記号 Al)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など
- 亜鉛(元素記号 Zn)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など
- 金属の耐食性
- ガルバリウム鋼板のメーカー|リンク集
- カラー鋼板メーカー|プレコート鋼板メーカー|リンク集
- 冷間圧延鋼板の特徴と規格、機械的性質|SPCC、SPCD、SPCE、SPCF、SPCG
- 熱間圧延鋼板(SPH材)の特徴とJIS規格、比重、板厚(SPHC、SPHD、SPHE、SPHF)
- SPFH(自動車用熱間圧延高張力鋼板)とSPFC(自動車用冷間圧延高張力鋼板)は何が違いますか
- SAPH材、自動車構造用熱間圧延鋼の機械的性質、特徴
- 自動車用加工性熱間圧延高張力鋼板(SPFH材)の特徴
- SPFC鋼板(自動車用加工性冷間圧延高張力鋼板)の板厚、成分、規格
- 一般構造用圧延鋼材(SS材)
- 焼付硬化性鋼板とは
- DP鋼とは
- TRIP鋼とは
- 高張力鋼、ハイテン材とは
- 冷間加工と熱間加工の違い
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、鋳鉄、超硬の熱膨張係数
- 金属の熱伝導率の一覧表
- 鉄鋼材料、鉄、炭素鋼、工具鋼の比重
- 鉄鋼、炭素鋼、鋳鉄、純鉄、ステンレスの熱伝導率
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、ハイスの比熱
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレスの電気抵抗
- 金属単体の比重、密度の一覧表
- 金属の融点、沸点の一覧表
- 金属の熱伝導率の一覧表
- 金属材料の硬度の一覧と比較
- 合金元素の果たす役割