ゴムの素練りはなぜ必要か

2022年3月20日更新

素練り(読み方:すねり)とは主に天然ゴムを加工するときの工程で、入荷した生ゴムを練り潰して、あとの工程で薬品等の配合剤がよく分散されるよう適度な可塑性をゴムに与える加工のことを意味しています。練りつぶすことでやわらかくして粘度を上げることができます。これは配合剤の練り込みをしやすくするだけでなく、金型への材料流し込みやすさ(型流れのよさ)や、成形工程・加硫工程での肌荒れにも効果があるため、これらを期待して素練りを行うこともあります。天然ゴム以外にも合成ゴムで素練りを行うこともあります。

ゴムは原料ゴムに様々な薬品や添加剤を練り込んでいくことでゴム製品のもとになる「配合ゴム」になっていきますが、肝となるのはこうした配合する物質がゴムの中に均一によく練り込まれて分散していることです。

天然ゴムは生ゴムの状態だと非常に硬いという性質がありますのでそのままでは練り込みが不十分となりがちであるため、この工程が必要となるわけです。

なお、素練りには低温素練りと高温素練りがあります。この違いは使用する混練機にも依存するもので、低温素練りとなるロール機でのロール素練りは、50℃前後の温度となり、主に機械的切断によって素練りの目的が果たされます。

一方、高温素練りとなるバンバリー素練りは、120℃以上の温度に上がり、主にゴムを化学的切断によって素練りを行っていきます。このとき、素練り促進剤となる、しゃく解剤が入れられることもあります。しゃく解剤はペプタイザーともいいますが、原料ゴムの分子を切断させる効果のある薬剤で、素練りの時間を短縮することができます。

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