SK75Mの材質、成分、硬度、機械的性質|ミガキ鋼であるSK75Mの特徴

2014年4月1日更新

SK75Mはみがき帯鋼と呼ばれる鋼材の一つで、熱延加工した鉄鋼材料をさらに冷延加工することで得られます。ばね、刃物、クラッチ部品、座金、靴底、ホーンなどの用途に使われます。元になっているのは炭素工具鋼ですので、手工具などの用途でもよく使われる素材です。旧規格でいうSK6を母材としたものです。

SK75Mの機械的性質

引張強さや降伏点、耐力といった機械的性質については、みがき鋼となる前の材料(末尾のMを除いた材料記号ごと)にそれぞれ規定があります。

SK75Mの板厚や長さ、幅の許容公差

いずれも「みがき特殊帯鋼」として規格となっています。みがき帯鋼のサイズ別の許容公差についてはこちら。

SK75Mの成分、材質

SK75Mの成分、材質
鉄鋼材料の種類 C Si Mn P S Cu Ni Cr Ni+Cr
SK75M 0.70から0.80 0.10から0.35 0.10から0.50 0.030以下 0.030以下 0.25以下 0.25以下 0.30以下 -

SK75Mの硬度

SK75Mのビッカース硬度
種類 焼きなまし後の硬度 冷間圧延したままの硬度
ビッカース硬さ
(HV)
ビッカース硬さ
(HV)
SK75M 190以下 190から280

「JIS G 3311 みがき特殊帯鋼」に規定のある材料記号

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みがき特殊帯鋼の種類と特徴

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