金属の低温脆性

2013年1月2日更新

0℃以下の非常に寒冷な地域などで観測される現象で、ある一定以上の低温環境で金属を使っていると、金属組織が脆くなり、通常では破壊されないような衝撃や負荷がかかると、金属が破断したり、破壊されたりすることがあります。こうした低温の環境で、脆く(もろく)なる現象を、低温脆性といいます。

通常の鉄鋼材料は、低温脆性が起きてしまうため、何らかの対策が施された鋼を使うか、この低温脆性が起きにくい、もしくは起きない材料、いわゆる低温靱性に優れた金属で代用する手もあります。

例えば、チタン合金には低温脆性が起きませんし、強度にも優れています。コストの問題があるため、大面積では使用が難しいかもしれませんが、一考に値します。また、ニッケル合金やアルミ合金、銅合金も低温靱性に優れ、低温脆性が起きない金属組織を持っています。鉄鋼材料の中でも、オーステナイト系ステンレスではこの低温脆性が起きないことが知られています。

寒冷地や低温、極寒、極低温などの使用が想定される部分では、常温での強度だけでなく、こうした指標についても事前に検討が必要となります。

スポンサーリンク

>このページ「金属の低温脆性」の先頭へ

金属の低温脆性についての関連記事

砥石からはじまり、工業技術や工具、材料等の情報を掲載しています。製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、購買調達、資材、生産管理、物流、経理など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

このサイトについて

研削・研磨に関わる情報から、被削材となる鉄鋼やセラミックス、樹脂に至るまで主として製造業における各分野の職種で必要とされる情報を集め、提供しています。「専門的でわかりにくい」といわれる砥石や工業の世界。わかりやすく役に立つ情報掲載を心がけています。砥石選びや研削研磨でお困りのときに役立てていただければ幸いですが、工業系の分野で「こんな情報がほしい」などのリクエストがありましたら検討致しますのでご連絡ください。toishi.info@管理人

ダイヤモンド砥石のリンク集

研磨や研削だけでなく、製造業やものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業分野で必要とされる加工技術や材料に関する知識、事業運営に必要な知識には驚くほど共通項があります。研削・切削液、研削盤、砥石メーカー各社のサイトから工業分野や消費財ごとのメーカーをリンクしてまとめています。

研磨、研削、砥石リンク集