シロアリに強い木材

2022年9月23日更新

シロアリに強い木材というのは硬さがあり、耐蟻性の成分を含む木材です。具体的にはヒノキ、ヒバ、ケヤキ、アピトン、チークといったものが該当します。

シロアリが好まない木材

シロアリに対して強いとされる木材でも、心材にはたしかに耐蟻性がありますが、辺材にはこうした特性がありませんので、シロアリにとって好都合の環境が整ってしまうと他の木材同様に食われてしまいます。

実務上、建材としては辺材と心材を分けて使うことは困難であるため、木材の持つ耐蟻性だけを頼りにすることは難しいといえます。

反対に耐蟻性が低い木材としては、アカマツ、クロマツ、ベイマツ、ベイツガ、エゾマツ、スプルース等があります。

日本に生息する16種のシロアリのうち、木造建造物を加害するのは5種となります。その中でもイエシロアリ、ヤマトシロアリの2種がほぼ日本列島をカバーする生息域としています。これら2種のシロアリは、食害する木材にも好みというか優先順位があり、以下のような差があります。

心材よりも辺材をまず食害 晩材よりも早材をまず食害 広葉樹材よりも針葉樹材をまず食害 木材の成分に含まれる耐蟻性

耐蟻性のある木材というのは抽出成分に下表のようなものを含むものとなります。ただ心材は木材そのものがシロアリから忌避できても、辺材にまでこれら成分を含むものはないため、別の対策も必要となります。

固有の木材が持つ耐蟻性の成分
種類 内容
忌避性の成分 精油、アルカロイド
殺蟻性の成分 サポニン類、キノン、フェノール類

基本的な対策の考え方

木造による家屋の場合、シロアリは土とつながる場所や土中に巣を作るため、古くから木材を地面から切り離すことが有効とされています。これは蟻返しともいいますが、基礎部分からシロアリが這い上がらないような構造にしてしまう方法です。

またシロアリの活動には水が不可欠であるため、水を遮断し風通しをよくする構造も有効です。木材の含水率を下げて常時乾燥した状態の木材にしてしまう方法です。

床下をコンクリートにして土と木材を完全に切り離す方法もあります。

薬剤による方法もよく使われ、新築時の予防用の場合は風通しの悪い水場周辺を重点的に薬剤散布したり、地面から1メートル以内の構造部材にターゲットを絞って行われることが多いです。

使用される薬剤は他の害虫予防や駆除に使われるものと共通しているものもあります。

8ホウ酸ナトリウム4水和物(ティンポア)、ホウ砂、ホウ酸などのホウ素化合物は水溶性であり、木材に拡散・加圧注入処理して用いられてます。

カーバメート系化合物(カルバリル、プロポクスル)、ピレスロイド系化合物(パーメスリン、サイパメスリン)、有機リン系化合物(クロルピリホス、ホキシム、ピリダフェンチオン、フェニトロチオン)等は油溶性となり、防虫、防蟻のための木部の表面処理に使用されます。また、乳化製材として地下シロアリの駆除や防除にも使用されます。

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