SWCH27Kの硬度、成分、比重、引張強度、機械的性質について|冷間圧造用炭素鋼

2013年4月7日更新

SWCH27Kは、キルド鋼の冷間圧造用炭素鋼で、焼き鈍し工程を経て冷間加工したものです。0.22〜0.29%の間に炭素量の範囲を持ち、低炭素鋼のうち、半軟鋼に相当します。引張強度の向上に貢献するマンガン量もかなり多めに添加されています。なお、他のグレードのSWCH材のように冷間加工のみというパターンがありません。

SWCH27Kの成分、組成

なお、成分規定は材料となるSWRCH27Kのものになります。

SWRCH27Kの成分
鋼材の種類 C(炭素) Si(シリコン) Mn(マンガン) P(リン) S(硫黄) Al(アルミ)
SWRCH27K 0.22〜0.29 0.10〜0.35 1.20〜1.50 0.030以下 0.035以下

SWCH27Kの比重、密度

鉄鋼材料の比重は7.8前後となりますが、より細かい数字の概算を出すには、炭素量から算出することもできます。比重=7.876−0.030×炭素(%)の式を適用した場合、上限の0.29%で計算すると、7.867前後となります。

SWCH27Kの機械的性質|引張強度、硬度、絞り

冷間加工のみの場合

炭素量が増えてくるため、焼き鈍しなしの冷間加工のみというパターンは規定されていません。

焼きなまし後に冷間加工した場合

SWCH27Kの機械的性質
種類 引張強さ
N/mm2
絞り
(%)
【参考値】
硬さ(HRB)
SWCH27K 470以上 55以上 92以下

SWCH材(冷間圧造用炭素鋼線)の材料記号の一覧

SWCH24KとSWCH27KからSWCH50Kまでは焼きなまし後の冷間加工についての規定のみとなります。その他の冷間圧造用炭素鋼については、冷間加工のみと、焼きなまし後冷間加工の2パターンについての機械的性質が規定されています。

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