STKM11Aの規格と機械的性質、成分、引張強度、降伏点

2013年2月15日更新

STKM11Aは機械構造用炭素鋼鋼管としては最も炭素量の少ない低炭素鋼で、主な用途としては、エンジンクレードル、サスペンションメンバー、トーションビーム、プロペラシャフトなどに使われます。機械的性質は、引っ張り強度が低く抑えられている反面、伸びがよく、曲げなどの加工もしやすい部類です。炭素鋼管のうち、11種のものになります。なお、降伏点は設定されていません。

STKM11Aの成分

STKM11Aの成分(%):11種A
鋼管の記号 C(炭素) Si(シリコン) Mn(マンガン) P(リン) S(硫黄) Nb(ニオブ)
もしくはV(バナジウム)
STKM11A 0.12以下 0.35以下 0.60以下 0.040以下 0.040以下

STKM11Aの機械的性質|引張強さ、降伏点、耐力、伸び、扁平性、曲げ性

STKM11Aの機械的性質|引張強さ、降伏点、耐力、伸び、扁平性、曲げ性
鋼管の種類、記号 引張強さ(N/mm2) 降伏点、耐力(N/mm2) 伸び(%) 扁平性 曲げ性
11号試験片、12号試験片、管軸方向 5号試験片、管軸直角方向 平板間の距離(H) 曲げ角度 内側半径
STKM11A 290以上 35以上 30以上 1/2D 180° 4D

STKM11Aの伸び

STKM11Aの伸び(厚さ8mm未満の鋼管)の最小値(%)
鋼管の記号 試験片 鋼管の厚さ区分による伸びの最小値(%)
1mm以下 1mmを超え2mm以下 2mmを超え3mm以下 3mmを超え4mm以下 4mmを超え5mm以下 5mmを超え6mm以下 6mmを超え7mm以下 7mmを超え8mm未満
STKM11A 5号試験片 20 21 22 24 26 27 28 30
12号試験片 24 26 28 29 30 32 34 35

STKM11Aの比重について

比重は7.85が基本値となります。

STKM11Aの寸法許容差(外径)

長さの許容差には原則として+50mm、-0mmとなっており、外径については下表の通りです。

STKM11A外径の寸法公差(許容差)
区分 鋼管の外径サイズ(mm) 外径の許容差(mm)
1号(熱間仕上継目無鋼管が該当) 50未満 ±0.5
50以上 ±1%
2号 50未満 ±0.25
50以上 ±0.5%
3号 25未満 ±0.12
25以上40未満 ±0.15
40以上50未満 ±0.18
50以上60未満 ±0.20
60以上70未満 ±0.23
70以上80未満 ±0.25
80以上90未満 ±0.30
90以上100未満 ±0.40
100以上 ±0.50%

寸法公差としてどの号を使うかは、受渡しの当事者間にて取り決めることになっています。

「JIS G 3445 機械構造用炭素鋼鋼管」に規定のある材料記号

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