STBA23の成分、材質、比重、機械的性質等|STBA鋼管の規格

2014年2月17日更新

STBA23は合金鋼管の一種で、ボイラや熱交換器などにおける熱伝達の役割を果たす規格材料です。材質はクロムモリブデン鋼になり、JISではロックウェル硬さ(HRB)85以下と規定されています。管の製法としては、シームレスのものと電縫(電気抵抗溶接)のものそれぞれあります。

STBA23の比重

合金鋼を素材とする鋼管である為、比重も炭素鋼管よりも重く、7.85がベースとなります。

STBA23の成分、材質、組成について

STBA23の成分
STBA鋼管 C Si Mn P S Cr Mo
STBA23 0.15以下 0.50から1.00 0.30から0.60 0.030以下 0.030以下 1.00から1.50 0.45から0.65

STBA23の機械的性質

STBA23の引張強さ、降伏点、耐力、伸び
STBA鋼管 引張強さ
N/mm2
降伏点、耐力
N/mm2
伸び(%)
外径10ミリ未満 10ミリ以上20ミリ未満 20ミリ以上 全外径 全外径
11号試験片 11号試験片 11号試験片
12号試験片
4号試験片 14A号試験片
STBA23 410以上 205以上 22以上 25以上 30以上 24以上 21以上

STBA23の熱処理

規格では、等温焼きなまし、完全焼きなまし、焼きならし後焼戻しのいずれかとなっています。焼戻しの際の温度は650℃以上と規定されています。が、電気抵抗溶接鋼管(電縫鋼管)では低温焼きなましは行いません。

「JIS G 3462 ボイラ・熱交換器用合金鋼鋼管」に規定のある材料記号

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