STBA12の成分、材質、比重、機械的性質等|STBA鋼管の規格

2014年2月17日更新

STBA12は合金鋼であるモリブデン鋼の素材とする鋼管で、熱伝達を目的とするボイラ・熱交換器用のグレードです。シームレス鋼管、電縫鋼管のいずれも仕様としては存在し、JISで規格化されている同用途の合金鋼管では、2種あるうちの一つとなります。炭素量は同種の鋼管のなかでは最も低い水準の0.10%〜0.20%となります。ロックウェル硬さ(HRB)は80以下となります。

仕上げ手法については、冷間、熱間、電気抵抗溶接したままの状態の3パターンとなります。

STBA12の比重

合金鋼を素材とする鋼管である為、比重も炭素鋼管よりも重く、7.85がベースとなります。

STBA12の成分、材質、組成について

STBA12の成分
STBA鋼管 C Si Mn P S Cr Mo
STBA12 0.10から0.20 0.10から0.50 0.30から0.80 0.035以下 0.035以下 - 0.45から0.65

STBA12の機械的性質

STBA12の引張強さ、降伏点、耐力、伸び
STBA鋼管 引張強さ
N/mm2
降伏点、耐力
N/mm2
伸び(%)
外径10ミリ未満 10ミリ以上20ミリ未満 20ミリ以上 全外径 全外径
11号試験片 11号試験片 11号試験片
12号試験片
4号試験片 14A号試験片
STBA12 380以上 205以上 22以上 25以上 30以上 24以上 21以上

STBA12の熱処理

規格では、低温焼きなまし、等温焼きなまし、完全焼きなまし、焼きならし、焼きならし後焼戻しのいずれかとなっていますが、電気抵抗溶接鋼管(電縫鋼管)では低温焼きなましは行いません。

「JIS G 3462 ボイラ・熱交換器用合金鋼鋼管」に規定のある材料記号

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