一般構造用圧延鋼材(SS材)

2010年8月14日更新

鉄鋼材料の中でも最も使用頻度の高い材料といえます。特にSS400は素材・形状の種類(鋼板、棒鋼、形鋼、平鋼)が豊富に出回っており、価格も手ごろで建築構造物をはじめ、多くの機械でも使われています。板厚が50mmを超えない限り、溶接性についてもSM400とほぼ同等で、常温から350℃までの間であれば問題なく使うことができます。ただ溶接性の保証はしていないため、特にこうした用途で重要な箇所にはSM材が使われます。 溶接や低温じん性を保証する検査は行われないため、他の鉄鋼材料との使い分ける必要があります。SS490やSS540については原則として溶接しない部材などに用いるのがよいとされます。また板厚が50mmを超える場合は、SM材が検討候補にあがります。

SS材のJIS規格では、最低限の引っ張り強さの規定はあるものの、化学成分の規定はありません。また熱処理して使う材料としてもあまり適当なものとは言えないでしょう。SSのあとに続く数字が引張強さを表しています。

原料となる鋼がキルド鋼かリムド鋼かは成分のSi%でおおむね判別ができると言われています。

  • Si<0.1% リムド鋼
  • Si>0.15% キルド鋼

連続鋳造法が確立したあとの製法では、そのほとんどが高品質のキルド鋼であると言われています。

なお、研磨もしくは研削作業を行う場合、通常の研削砥石ならWA砥粒もしくはA砥粒を用いた砥石がよく使われます。超砥粒ならば、鉄系素材ゆえにダイヤモンドは不向きですので、CBN砥石が適しています。

「JIS G 3101:2010 一般構造用圧延鋼材」に規定のある材料記号

一般構造用圧延鋼材(SS材)の材料記号の変遷
1959年 1964年 1966年 1995年
SS34 - SS34 SS330
SS41 - SS41 SS400
SS50 - SS50 SS490
SS39 SR24 - -
SS49 SR30 - -
- - SS55 SS540

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