冷間圧延鋼板の特徴と規格、機械的性質|SPCC、SPCD、SPCE、SPCF、SPCG

2013年2月7日更新

冷間圧延鋼板もしくは冷延鋼板の規格は、加工用途に応じて5種類の板材が規定されています。一般用のSPCC、絞り加工用のSPCD、深絞り加工用のSPCE、非時効性深絞り用のSPCF、非時効性超深絞り用のSPCGの5品目です。鋼材としては、低炭素鋼に相当し、板厚は標準寸法として、0.4mmから3.2mmのものがあります。

また、調質の区分も硬質の程度に応じて6つに分類されています。その他、表面仕上げ区分、成分、引張強さや降伏点、耐力、伸びといった機械的性質、硬度、許容公差、ひずみ、曲げ性、板厚の種類・範囲、平坦度、横曲がり、比重(質量)についての規定があります。

冷間圧延では、通常、圧下率は40%〜90%程度で熱間圧延された鋼板をさらに薄く延ばしていることになります。絞り加工や深絞り加工など、高い成形性と加工性については冷間圧延鋼板が最も優れています。

冷間圧延しただけの状態では、金属固有の加工硬化によって硬度が上昇し、伸びが減じている状態ですが、ここから熱処理を行うことで、熱間圧延鋼板よりも高い伸びをもつ加工性・成形性に優れた鋼板に仕上がっていきます。

特に取り決めや指定がない場合は、表面には油が塗られています。

やわらかく成形性、加工性のよい鋼板のため、非常に多くの用途で使われ、特に絞り加工の自由がきく鋼板としてはトップクラスの性能を持つため、板金や曲げ、絞り加工によって様々な形状に仕上げることが可能です。

冷間圧延鋼板の比重、密度

7.85が基準となります。板の体積を求めて、この値を元に、鋼板の重量を割り出します。熱間圧延鋼板も同様に7.85を比重としており、鋼の比重については一般的に炭素や添加元素によって影響を受けるため、鋼板の場合はほぼ同じと考えることができます。

冷間圧延鋼板の板厚

標準の板厚としては下表のものになります。冷延鋼板のため、高精度かつ薄く仕上げられています。

冷間圧延鋼板の板厚の種類(0.4mm以上3.2mm以下)
板厚(単位:mm)
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
1.2
1.4
1.6
1.8
2.0
2.3
2.5
2.6※
2.8
2.9※
3.2
冷延鋼板の板厚の許容公差(大幅:A)
板厚の範囲(mm) 板厚の幅(mm)
630未満 630以上1000未満 1000以上1250未満 1250以上1600未満 1600以上
0.25未満 ±0.03 ±0.03 ±0.03
0.25以上0.40未満 ±0.04 ±0.04 ±0.04
0.40以上0.60未満 ±0.05 ±0.05 ±0.05 ±0.06
0.60以上0.80未満 ±0.06 ±0.06 ±0.06 ±0.06 ±0.07
0.80以上1.00未満 ±0.06 ±0.06 ±0.07 ±0.08 ±0.09
1.00以上1.25未満 ±0.07 ±0.07 ±0.08 ±0.09 ±0.11
1.25以上1.60未満 ±0.08 ±0.09 ±0.10 ±0.11 ±0.13
1.60以上2.00未満 ±0.10 ±0.11 ±0.12 ±0.13 ±0.15
2.00以上2.50未満 ±0.12 ±0.13 ±0.14 ±0.15 ±0.17
2.50以上3.15未満 ±0.14 ±0.15 ±0.16 ±0.17 ±0.20
3.15以上 ±0.16 ±0.17 ±0.19 ±0.20
冷延鋼板の板厚の許容公差(小幅:B)
板厚の範囲(mm) 板厚の幅(mm)
160未満 160以上250未満 250以上400未満 400以上630未満
0.10未満 ±0.010 ±0.020
0.10以上0.16未満 ±0.015 ±0.020
0.16以上0.25未満 ±0.020 ±0.025 ±0.030 ±0.030
0.25以上0.40未満 ±0.025 ±0.030 ±0.035 ±0.035
0.40以上0.60未満 ±0.035 ±0.040 ±0.040 ±0.040
0.60以上0.80未満 ±0.040 ±0.045 ±0.045 ±0.045
0.80以上1.00未満 ±0.04 ±0.05 ±0.05 ±0.05
1.00以上1.25未満 ±0.05 ±0.05 ±0.05 ±0.06
1.25以上1.60未満 ±0.05 ±0.06 ±0.06 ±0.06
1.60以上2.00未満 ±0.06 ±0.07 ±0.08 ±0.08
2.00以上2.50未満 ±0.07 ±0.08 ±0.08 ±0.09
2.50以上3.15未満 ±0.08 ±0.09 ±0.09 ±0.10
3.15以上 ±0.09 ±0.10 ±0.10 ±0.11

冷間圧延鋼板の幅の許容公差

ストレッチャーレベラー仕上鋼板(歪み矯正がなされている鋼板)はプラス側の公差の規定がありません。冷間圧延鋼板の寸法許容差は、厚みだけでなく、幅、長さともに規定があります。精度は熱間圧延鋼板よりも高くなります。

幅の許容公差(普通の切断)
幅1250mm未満 幅1250mm以上
+7, 0 +10, 0
幅の許容公差(再切断、精密切断を行った場合)
幅1250mm未満 幅1250mm以上
+3, 0 +4, 0
幅の許容公差(スリットを行ったもの)
板厚(mm) 板の幅(mm)
160未満 160以上250未満 250以上400未満 400以上630未満
0.60未満 ±0.15 ±0.20 ±0.25 ±0.30
0.60以上1.00未満 ±0.20 ±0.25 ±0.25 ±0.30
1.00以上1.60未満 ±0.20 ±0.30 ±0.30 ±0.40
1.60以上2.50未満 ±0.25 ±0.35 ±0.40 ±0.50
2.50以上4.00未満 ±0.30 ±0.40 ±0.45 ±0.50
4.00以上5.00未満 ±0.40 ±0.50 ±0.55 ±0.65

冷間圧延鋼板の長さの許容公差

こちらについてもストレッチャーレベラー仕上鋼板はプラス側の公差規定はありません。

長さの許容公差(通常の切断)
長さ 許容公差
2000未満 +10, 0
2000以上4000未満 +15, 0
4000以上6000未満 +20, 0
長さの許容差(再切断、精密切断)
長さ 許容公差
1000未満 +3, 0
1000以上2000未満 +4, 0
2000以上3000未満 +6, 0
3000以上4000未満 +8, 0

冷間圧延鋼板の平坦度

鋼板の平坦度については通常の冷間圧延のものと、ストレッチャーレベラーによってゆがみ矯正がなされたものとで規定が異なります。

平坦度(通常)
板の幅 歪みの種類
反り、波 耳のび 中のび
1000未満 12 8 6
1000以上1250未満 15 9 8
1250以上1600未満 15 11 8
1600以上 20 13 9
平坦度(ストレッチャーレベラー仕上げ鋼板)
板の幅 歪みの種類
反り、波 耳のび 中のび
1000未満 2 2 2
1000以上1250未満 3 2 2
1250以上1600未満 4 3 2
1600以上 5 4 2

冷間圧延鋼板の調質記号と硬度、伸び

下表の引張強さと伸びは、厚さ0.25mm以上幅30mm以上に適用されます。

冷間圧延鋼板の調質記号と硬度
調質の種類 調質記号 硬度:ロックウェル硬さ(HRBS、HRBW) 硬度:ビッカース硬さ(HV) 引張強さ(N/mm2 伸び(%)
焼きなました状態のまま A 57以下 105以下
標準調質 S 65以下 115以下
1/8硬質(SPCCのみ) 8 50〜71 95〜130 290〜410 25以上
1/4硬質(SPCCのみ) 4 65〜80 115〜150 370〜490 10以上
1/2硬質(SPCCのみ) 2 74〜89 135〜185 440〜590
硬質 1 85以上 170以上 550以上

冷間圧延鋼板の表面仕上げ

表面仕上げは、焼きなましのままの状態である調質記号「A」がついた鋼板には適用しません。

冷延鋼板の表面仕上げ
仕上げの種類 表面仕上げ記号 詳細
ダル仕上げ D つや消し仕上げ。物理的、もしくは化学的に表面を粗くしたロールで仕上げる。
ブライト仕上げ B 滑らかなロールで表面を平滑に仕上げたもの。

「JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯」に規定のある鋼板の種類と材料記号

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