SNR鋼材、建築構造用圧延棒鋼の規格|アンカーボルトに使われるSNR

2014年3月1日更新

建築構造用圧延棒鋼はSNR材とも呼ばれ、建物や建築物全般に用いられる棒材のうち、熱間圧延棒鋼について規定した規格となります。この棒材については、丸鋼、角鋼、バーインコイルの形状のものがあてはまり、建築材以外の用途で使われることもあります。

寸法については、径や対辺距離が6mmから100mm以下のものになりますので、ボルトなどの基礎部材によく使われ、用途としてはアンカーボルトの材料としてもよく知られています。

規格内容としては、成分値や炭素当量、溶接割れ感受性組成、降伏点や耐力、引張強さ、降伏比、伸び、衝撃値(シャルピー吸収エネルギー)といったパラメータが設定されています。一般加工用のものに比べると、建築用の部材としての強度を見るためのパラメータが揃っています。

似た鋼材の規格にはSS材もその一つとしてあげられますが、このSNR材は、SS材に比べて伸びに優れており、衝撃に強いという特徴を持ち、端的にいえば、「靭性」に優れている鋼材といえます。

代表的な鋼材であるSS400等の一般圧延鋼材に比べると、引張強さの面では規格値に違いはないものの、成分上の不純物となるリンや硫黄が低い水準に抑えられており、また炭素量とシリコンについても抑えてあり、伸びのパラメータが上昇するような工夫が凝らされています。また溶接部の破断なども容易に起きては困る為、それを制御するための規定値が設定されており、溶接性そのものについてもマンガンの量が多めになっているため、向上しています。地震の際に、SS材のボルトが破断したのに対し、SNR材のボルト箇所が耐えられたということもあり、強度面で定評のある鋼材です。

特に末尾にBがつくSNR材は、衝撃値のほか、降伏比や降伏点の上限が設定されている為、エネルギー吸収能力に優れた鋼材となりますので、SNR材を用いる場合、この末尾にBがついているのはSNR400B、SNR490B2品種となります。なお、A種のほうはSNR400Aのみとなりますが、こちらは溶接しない箇所へ使われる用途が想定されているグレードです。

「JIS G 3138 建築構造用圧延棒鋼」に規定のある材料記号

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