御影石の吸水率

2012年11月24日更新

御影石の吸水率は、産地・種類によって結構上下しますが、概ね0.1〜3%前後となります。中には5%を超える吸水率を持つ御影石もありますが、構造材や建築材料として用いる際にはよほどの事情がないと倦厭されます。

というのも、石材にとっての吸水率というのは、強度や耐候性の証しでもあり、非常に重要なパラメータだからです。ごく簡単に言えば、吸水率が高い石というのは、中身が「すかすか」であるために水を良く吸ってしまう、ということになります。表面から内部へ通じる空孔(ポア)がたくさんあるため、強度も弱くなります。

また、石材の多くは外気にさらされた状態の環境で使われることが多いですが、吸水率の高いものほど劣化がはやくなります。構造材料や建築材料として、はるか古代エジプトのころから使われており、石には非常に強いものというイメージがあります。たしかに、完全に崩れてしまうという状態になるまでにはかなりの時間がかかるため、他の工業材料ではそこまで形が持たないという長い時間、形を保っていられます。しかし、風化によって表面が劣化したり、錆が内部に侵入したりといった問題により、強度にも影響を及ぼすことがあります。このため、石材の表面にはコーティングなどを行い、この空孔を埋めてしまうか、表面を透明な膜で覆ってしまう方法などが使われています。

御影石は総じて、砂岩や石灰岩などの軟らかい石に比べると、組織が詰まっており、硬質な石材になります。大理石とともに、吸水率は安定して低い石材といえるでしょう。御影石と大理石とではどちらが吸水率が低いということは言いづらく、大理石と御影石の双方にもきわめて吸水率が低いタイプの石種は存在します。低いものだと、小数点2桁、例えば0.02%といったようなものもあります。

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