SCMnCr3の材質、成分、耐力、引張強さ、硬度|SCMnCr3の機械的性質と特性

2013年6月24日更新

SCMnCr3は構造用での利用が想定されている低合金鋼の鋳物です。ベースはマンガンクロム鋼となります。炭素量はS35Cと同レベルの0.30から0.40となっています。

SCMnCr3の成分、材質

SCMnCr3の成分、材質
鋳鋼の種類 C Si Mn P S Ni Cr Mo
SCMnCr3 0.30から0.40 0.30から0.60 1.20から1.60 0.040以下 0.040以下 - 0.40から0.80 -

SCMnCr3の熱処理後の機械的性質|降伏点、耐力、引張強さ、伸び、絞り、硬度

鋳鋼の記号末尾についているAは焼ならし焼戻しを、Bは焼入れ焼き戻しの熱処理を行った材料であることを示しています。

SCMnCr3の降伏点、耐力、引張強さ、伸び、絞り、硬度
鋳鋼の種類 熱処理 降伏点、耐力
N/mm2
引張強さ
N/mm2
伸び
(%)
絞り
(%)
硬さ
HB
SCMnCr3A 焼ならし焼戻し 390以上 640以上 9以上 25以上 183以上
SCMnCr3B 焼入れ焼き戻し 490以上 690以上 13以上 30以上 207以上

「JIS G 5111 構造用高張力炭素鋼及び低合金鋼鋳鋼品」に規定のある材料記号

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