英語での名刺の書き方と見本
英語で名刺はbusiness cardと言いますが、英語圏をはじめ、世界中広くビジネスパーソンが持つ共通のアイテムの一つです。昔は、名刺交換を異様に重視するのは日本人固有の習慣であるというようなことも言われていましたが、実際に諸外国のビジネスパーソンたちと名刺を交換する機会はありますし、日本だけで重視されていると言うわけでもありません。
たしかに、国や相手によって必ずしも名刺の交換から入るわけではないため、頻繁にやり取りする相手でも名刺をもらっていないこともあるのですが、対外的に折衝をする必要のある人はほとんどの場合名刺を持っています。名刺交換の作法も、日本のものとは違い、机に置いて渡す人もいますが、両手を使う国もあります。また、商談が終わった後に連絡先を交換するために名刺交換、という習慣の国もあります。
名刺の構成は日本語のものとほぼ同じで問題ありませんが、なぜか日本人は大文字を多用したがる傾向があります。大文字の多用は時に奇異な印象を与えますので、状況に応じて使い分けるとよいかと思います。以下、名刺に記載すべき項目別に内容を見ていきます。
英語名刺への記載事項
氏名
一般的には、英語の名刺は名前(ファーストネーム)を先に、苗字(ファミリーネーム)を後にというスタイルに変更することが多いでしょう。
海外で渡す場合は、その国と同じにするのが無難ですが、日本式の苗字、名前の順序にこだわりがあるのであれば、相手に説明の必要があります。
部署名
部署名については、自社の英文での部署名を割り当てることになります。もし決まっていないようであれば、社内で話し合い、社外に対しては統一したものにしておく必要はあります。諸外国のビジネスパーソンたちの名刺には、部署名がないものも多いです(このあたりの事情は会社によりけりですが)。部署名がない場合、自分の職種や役職、サービス内容などが書かれています。
- 部署の英語での書き方|英語の部署名一覧
- 部、課、係、班などを英語で書くと
- 部署を英語で略すと
- 部署を英語で書く場合の順番について
- department、division、sectionの違い
- 支社、支店、営業所、出張所などを英語で書くと
役職名
役職のある人の場合は、あわせて併記するとよいでしょう。海外のビジネスパーソンの中には、自分の仕事内容、担当内容がわかるように具体的な担当業務名を記載しているケースもあります。あるいは役職がない場合でも、purchasing specialistといった書き方もあります。
会社名
会社名の表記については、日本国内の法人登記には必要ないため、あやふやにしている会社や、同じ会社なのに人によって表記が違う場合もあります。こちらも社内で決められた統一的な名称を使うべきでしょう。
住所
英文での住所表記の方法についても、社員ごとに書き方が違っていては格好がつきませんので、正式な名刺へ記載する英文住所の書き方については、統一しておくほうがよいでしょう。
電話番号(内線)
英語の名刺の場合、国番号から記載するとよいでしょう。また、職種やビジネスの進め方によっては携帯電話の記載があったほうがよいこともあります。この場合、cell phoneの番号も記載しておくとよいでしょう。
なお、内線番号などをつけることもあります。この場合、ExtensionやExと書かれている部分が内線を示しています。
ウェブサイトのアドレス
昨今は、日本の製造業でも英語版の専用サイトを構築して海外顧客開拓やコミュニケーションの深化をはかっているところは多いかと思います。日本語のサイトのURLを載せるのではなく、英語版のURLを記載することが必要ですが、日本語サイトのドメイン内のディレクトリ違いに/english/等として英語版を公開するよりは、英語版のサイトはドメインそのものも取得したほうが何かと便利です。
国ごとにドメインを別にしてウェブサイトを作り分けている会社もあります。
メールアドレス
近年はメール抜きではビジネスが成り立たないほどになっていますので、スペルミス等がないかよくよく確認の上、記載するとよいでしょう。特にハイフンやアンダースコアなどについては上下の段と重ならないようにし、見間違えないようにするとよいでしょう。
英語名刺の見本

名刺のフォント
フォントについては、個性やカラーを出したいと言うのであれば、こだわったものを用いるのも一つの方法ですが、ほとんどの海外企業の名刺はビジネスレターに使われるものと同じフォントが使われます。あまりファンシーなものを用いると、業界によっては奇異な印象を与えることになります。
読みやすく、スペルを誤解しにくいフォントがよいでしょう。1枚の名刺の中にあまりにもたくさんの異なるフォントが使われていると見辛いので、いくつかに絞るか、統一したほうがよいと思います。
名刺のサイズ
日本では一般に、4号と呼ばれるサイズで、寸法は「91mm×55mm」が名刺の寸法ですが、諸外国では下表のような名刺サイズとなります。
海外のみで営業する、と言うような場合は名刺の寸法についても考慮してもよいかもしれません。日本の場合、ほとんどの会社で使われる名刺のサイズが同じですが、外国では同じ国であっても名刺のサイズが違うものはよくあります。
主に採用されている国名 | 名刺サイズ(mm) |
---|---|
日本 | 91×55 |
アメリカ、カナダ | 88.9×50.8(3.5インチx2インチ) |
中国、香港、マレーシア、シンガポール、華僑圏 | 90×54 |
EU圏、ヨーロッパ諸国、アイルランド、イタリア、イギリス、フランス、ドイツ、オーストリア、オランダ、スペイン、スイス、ベルギー、ポルトガル、スロベニア、トルコ等 | 85×55 |
オーストラリア、ニュージーランド、オセアニア圏、ノルウェー、スウェーデン、北欧、ベトナム、インド、コロンビア、台湾等 | 90x50 |
スリランカ、ブラジル、インド、アルゼンチン、ロシア、チェコ、ハンガリー、東欧諸国、ポーランド、ウクライナ、ブルガリア、メキシコ、韓国、南アフリカ共和国 | 90x50 |
[参考]ISO 216によるA8標準サイズ | 74x52 |
名刺の紙色
白やクリーム系の色が多いですが、目立つ色や覚えてもらうために他と差別化したデザインを使うケースもあります。海外の名刺は白地に文字だけと言うものは少ないと感じます。
なお、会社のロゴはきちんと取り決めた色を指定してカラーで印刷しておくとよいでしょう。
名刺の紙質
最低条件として、印字がにじまないものを使う必要があります。
直接手で触れるものであるため、独特の質感のあるものや、レリーフつきのもの、通常の紙とは違うものを使って目立たせる工夫をしている会社もあります。最近は、紙以外のプラスチック類や商売に関係のある素材を使っている名刺もあります。
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