SCPL11の材質、成分、対応する温度、機械的性質|低温高圧用鋳鋼品、SCPL11のJIS規格

2013年7月1日更新

ニッケルを含有する二つの低温高圧用の鋳鋼材料のうち、炭素量が若干多く、反対にニッケルが若干少ないタイプの材料となります。低温脆性を見るための試験では、−75℃での試験となります。耐力や引張強さなどはSCPL31と同程度となります。

中間値として0.5%ほどMoを含有するモリブデン鋼の鋳物でもあります。

SCPL11の成分、材質

SCPL11の成分、材質
材料記号 C Si Mn P S Ni Mo
SCPL11 0.25以下 0.60以下 0.50から0.80 0.040以下 0.040以下 - 0.45から0.65

SCPL11の成分のうち、不純物許容値

SCPL11の成分のうち、不純物許容値
材料記号 Cu Ni Cr 合計量
SCPL11 0.50以下 0.35以下

SCPL11の機械的性質

SCPL11の降伏点、耐力、引張強さ、伸び、絞り、シャルピー衝撃値
材料記号 降伏点、耐力
(N/mm2
引張強さ
(N/mm2
伸び
(%)
絞り
(%)
シャルピー吸収エネルギー、衝撃値(J)
衝撃試験温度(℃) 4号試験片 4号試験片(幅7.5mm) 4号試験片(幅5mm)
3個の平均値 個別の値 3個の平均値 個別の値 3個の平均値 個別の値
SCPL11 245以上 450以上 21以上 35以上 -60 18以上 14以上 15以上 12以上 12以上 9以上

「JIS G 5152 低温高圧用鋳鋼品」に規定のある材料記号

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