湿式研磨と乾式研磨のメリット、デメリット

2011年10月3日更新

湿式研磨とは、研磨加工を行う際に、水や研削液などを使いながら行う研磨です。理論的には、研磨において最も加工効率がよいということになりますが、実際には諸々の事由から乾式研磨が採用されることも少なくありません。乾式の場合は、研削液や水などを使わず、工具と加工対象を直接あてる方法になります。以下に二つの方法のメリットとデメリットをまとめてみます。

その前に、水や研削液を使う主な事由を列挙すると、

  • 1.冷却
  • 2.潤滑性をあげて研削抵抗を下げる
  • 3.錆を防ぐ
  • 4.切り屑や砥石からの脱落物の付着を防ぐ

が主要な理由となります。

湿式研磨

メリット

冷却しながら研磨、加工することができるため、砥石とワーク双方の焼けを防止することができます。研磨加工においての最大の敵とも言えるのが、砥石とワークの接点における「高温」です。この熱はワークに70%以上伝わると言われ、この熱を何らかの形で除去できないとワークの変形や砥石の異常損耗などを招きます。

また湿式においては潤滑性を向上させることで、研削抵抗を抑え、研磨による熱の発生を抑える効果も期待できます。また、切り屑が砥石の目につまったり、ワークに付着したりするのを防ぐことができます。

デメリット

使う液の種類にもよりますが、ワークが鉄系の場合、錆が発生することがあります。液を使う分、片付けや準備に時間がかかるため、段取りにかかる手間は多くなります。水だけの場合ならばあまり問題にはなりませんが、研削液はそのまま流すことができないものが多いため、設備やそのメンテナンスのコストもデメリットと言えるかもしれません。

乾式研磨

 

メリット

作業性の良さがあげられます。湿式の場合、大量の「液体」が飛散し、それらを回収させたり、循環させたり、流したりするための設備が必要です。乾式の場合は、何と言ってもこれらが一切不要で、ワークと砥石(機械)さえあればどこでも作業できる点がメリットです。

 

また段取りも湿式に比べればよく、作業性のよさもあげられます。

湿式の場合、ワークの表面が濡れているため、加工後に乾燥させたり、油系であれば除去したりする手間がかかります。こうした研削・研磨後の後処理が不要な点もメリットと言えます。

また乾式は砥石のバリエーションが多いとも言われますが、これは用途にもよります。なお、乾式研磨の場合、他のパラメータが全て同じだと仮定した場合、湿式に比べて粒度を粗め、結合度は硬めのものを選んだほうが良いとされます。

デメリット

研削液や水による冷却効果が期待できないため、ワークと砥石の接点が高温になり、それらの熱がワークに広がることで変形や歪みにつながることがあります。

またこの高温に起因する焼けが出やすいという問題があります。

潤滑性があまりよくない状態での加工となるため、研削抵抗が大きく、バリが出やすくなります。

乾式は加工中の粉じんが多量に出るため、成分によっては加工が難しくなることもあります。いずれにせよ、粉じんを処理するための集塵などの設備や機械が必要で、作業者も粉塵用のマスクやメガネを装着して作業することになります。

 

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