研削液に水を使うメリットは何ですか

2011年7月19日更新

研削液あるいは切削液と呼ばれるものは、研磨や研削の加工には欠かすことのできないものですが、業界や加工様式、加工対象の材質や作業者の考えによって、様々なものが使われます。

研削液の役割は、平たく言えば、以下のようなところに落ち着きます。

  • 冷やす
  • 滑りをよくする
  • 切り粉等のゴミが付着しないようにする
  • 錆を防ぐ

それぞれの役割が何のために必要なのかをまとめると、次のように考えられます。

冷やす
冷却効果が必要なのは、機械研削の多くが高速回転による加工になるため、加工点つまり砥石と加工対象が接触する点が高温になるからです。高温になるとなぜ問題かと言えば、まず砥石側のほうへは砥粒へのダメージ、ボンドへのダメージにより本来の性能が発揮されなくなり、加工対象(ワーク)側のほうでは、熱による変質(焼け)や残留応力の問題などで加工後に破損・変形・寸法誤差の発生などの問題が考えられます。高速で回転させて用いる砥石では、如何に冷やしながら使うかというのは重要なポイントになります。加工内容によっては時に1000℃を超えることもあります。ダイヤモンドは硬い素材ですが、特に熱にはあまり強くありませんので、高温の中では硬さが低下していきます。
滑りをよくする
潤滑性は、摩擦熱を下げる効果のほか、円滑に研削・研磨加工を進めるうえでは重要な要素の一つです。「滑ると切れないのでは?」と思われがちですが、潤滑性がないと砥粒へかかる力が大きくなり、脱落の危険性や、その摩擦熱に起因する高温で砥粒が劣化するおそれもあります。砥粒が切り込まないで滑っているのと、潤滑性をよくするというのは別の話になります。
切り粉等のゴミが付着しないようにする
切り粉は砥石そのものを削りながら切れ味を維持するという役割も果たす重要なものではありますが、加工中にこれがあまりにもワークにまとわりつくと、この切り粉を原因とする傷、スクラッチにもなりかねません。また、粗い番手で削られた切り粉が次工程に残っていると、せっかく磨いた部分がまた粗い傷がついてしまい、場合によっては後工程では取ることができなくなります。こうした観点からも切り屑はすみやかに除去されるほうが望ましいと言えます。
錆を防ぐ
鉄を含む金属材料のなかには腐食、錆に弱いものもあります。中には加工中に酸化していき、油断していたら加工対象が錆びていて納品できなかったなんていうこともあり得ます。

研削に水を使うメリットは、まず価格が安いことの他、最初に上げた「冷やす」ことには最も長けた液体だからです。ただ、冷却効果の高いものと、潤滑性の高いものは性質の両立が難しいため、水は潤滑性については他のオイル系や、ソリュブル、エマルジョンに比べると劣ります。加工対象によっては洗浄の問題や、ワークの表面に微細な溝や穴があり、そこに研削液が入ってしまうと問題があるというケースもあり、この場合はほぼ水が使われます。

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