ブレード(ソーブレード)

2010年8月26日更新

切断工具の一種ですが、この用語が意味する「工具」は多岐にわたり、とくに業界によって意味するものが異なることが多く、注意が必要です。単にソーという場合もあり、この場合原義はノコギリになりますが、切断工具全般を表す分類です。ブレードも同様に刃が原義ですが、工具として指し示す範囲は切断工具全般になるため広範囲になります。ブレードは、円盤状のダイヤモンドサーキュラーソーブレードのほか、用途によってダイシングブレード、スライシングブレード、タイルカッター、ストーンソー、コンクリートソー、オフカット、リムソー、切断砥石など名称が複数あります。またサーキュラーソーブレードではなく、帯状になった切断工具にはバンドソー、ガングソー、ハクソー、フレームソー、線状の切断工具にはワイヤーソーなどがあります。

ダイヤモンドやCBNを用いた切断工具は、すべて基板の外周部分に砥粒が固着されています。メタルボンドの焼結体であることが多いですが、電着をもちいた切断工具もよく目にします。精密なものや材質によってレジンやビトボンドを採用したブレードもあります。

切断対象は広く、工業用途のあらゆるものの切断に使われると言っても過言ではありません。近年は、レーザーや水などでの切断も行われていますが、大多数の業界ではこうしたダイヤモンドを含有する切断砥石が使われています。

大きめのブレードで粗めのタイプであれば、切断刃となる外周の焼結体チップにボンドテールなどを見ることもできます。表面に突き出した小さな石ころ状のものがダイヤモンドです。他のダイヤモンドホイールと大きく違うのは、ブレード類の焼結体チップは通常層構造になっており、先端が丸まらないような工夫が施されています。

切断用途の工具は、ブレードやコアドリルなどを見てもわかるとおり損耗が激しく、使用中に目が詰まって切れ味が落ちたからといって頻繁にドレッシングできるわけではありませんので、各社とも集中度は低めにし、切れ味を重視した構成になっているようです。もっとも、寿命=コストにそのまま跳ね返るため、切れることが前提としてトータルコストも重要な要素となっています。

なお、ブレード類はチップの仕様(配置間隔やボンドの性能)が重視されることは言うまでもありませんが、基板の精度が出ていないと使い物になりません。

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