シリコン、ケイ素(元素記号 Si)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など

2012年8月30日更新

自然界にはSiO2(石英、水晶)の形で存在し、石英を主成分とする鉱石である珪石(けいせき)から精錬されることで取り出される元素です。半導体業界のの産業化とともに急速に需要が増えた元素の一つです。このSiO2の状態である珪石から還元によってシリコン金属を取り出すには膨大な電力が必要となるため、シリコン金属の状態で輸入されることが多いようです。

なお、このシリコンに炭素や酸素が結合したものをシリコーンと呼び、シリコーンゴム、シリコン樹脂の原料となります。両者は表記ゆれではなく、別のものを指しているため、用語使用時には注意が必要です。

ちなみにシリコンウエハなどに使われるシリコンの結晶は、蒸留精製によって純度を非常に高いレベルにまで持っていくため、Siの純度は99.999999999%にまでなります。9が11個連続しているため、イレブンナイン(11N)ともいいますが、これが半導体用途で使われるシリコンの純度レベルです。半導体グレードとも言われます。一般の金属シリコンはSiO2の含有鉱石である珪石から還元しますが、その場合は純度が凡そ98%程度で、半導体グレードとの違いが鮮明になっています。こちらは金属グレードと称されます。また、太陽電池に使うシリコンは、ソーラーグレードと呼ばれ、純度は99.9999%(6N)となっています。

シリコン、ケイ素(元素記号 Si)が活用されている分野

  • 緑色炭化ケイ素、黒色炭化ケイ素などの形で研磨材として
  • ガラスの成分
  • 半導体
  • シリコンウエハ
  • シリコーン(シリコン樹脂)
  • セメント
  • 太陽電池
  • 液晶材料
  • ワックス
  • シリカゲル(二酸化ケイ素)
  • 赤外での光学部材、窓材など
シリコン、ケイ素(元素記号 Si)の特性、物性
分類 非金属元素
電子配置 3s23p2
英語 Silicon
原子量 28.09
同位体 28Si、29Si、30Si
融点 1414℃
沸点 2355℃
密度 2.33g/cm3
比重
硬度 モース硬度6.5
色、形状 濃灰色
20℃、1atmでの状態 固体
線膨張率
(α/10-6K-1
100K:-0.4
293K(20℃):2.6
500K:3.5
800K:4.1
シリコン、ケイ素(元素記号 Si)の電気抵抗(ρ/10-8Ω・m)
700℃
300℃
100℃
0℃
−195℃
シリコン、ケイ素(元素記号 Si)の熱伝導率(W・m-1・K-1
700℃
300℃
100℃
0℃
-100℃

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