シリカセメント(A種、B種、C種)の成分、特徴について

2011年4月18日更新

シリカフュームセメントと言うこともあります。シリコンやフェロシリコンの製造時に出る副産物であるシリカフュームという天然のシリカ質を混合材に用いたセメントです。これらのシリカの粉末は非常に微細な粒子(セメント粒子の30分の1程度)で、緻密な組織を作るのに向いています。

セメントに対する混合率から、A種、B種、C種の三種類について規定されています。A種はシリカ質混合材が質量%で5を超え、10以下のもの、B種は10を超え、20以下のもの、C種は20を超え、30以下ののものと規定されています。オートクレーブ養生を行うコンクリート製品にも用いられます。オートクレーブ養生とは高温高圧の飽和蒸気による養生のこと。軽量気泡コンクリート板などのコンクリート製品の製造に使われます。工場製品の早期出荷を可能とする養生技術です。

シリカセメントは、セメントと水酸化カルシウムが反応して硬化する「ポゾラン反応」によって硬くなるセメントです。耐薬品性に優れますが、一定の強度になるまでに時間がかかります。

なお、詳しくはシリカセメントのJIS規格である「JIS R 5212」(2009)を参照ください。

シリカセメント(A種、B種、C種)の成分、圧縮強さ、比表面積、特性
  シリカセメントA種 シリカセメントB種 シリカセメントC種
密度(g/cm3) - - -
比表面積(cm2/g) 3000以上 3000以上 3000以上
凝結 始発(min) 60以上 60以上 60以上
終結(h) 10以下 10以下 10以下
安定性 パット法
ルシャテリエ法(mm) 10以下 10以下 10以下
圧縮強さ(N/mm2) 3d 12.5以上 10.0以上 7.5以上
7d 22.5以上 17.5以上 15.0以上
28d 42.5以上 37.5以上 32.0以上
化学成分(%) 酸化マグネシウム(MgO) 5.0以下 5.0以下 5.0以下
三酸化硫黄(SO3) 3.0以下 3.0以下 3.0以下
強熱減量 5.0以下 - -

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