仕切り価格と上代価格の意味と英語での言い方

2018年2月12日更新

仕切り(しきり)や上代(じょうだい)というのは企業間の取引、あるいは事業者同士での取引によく使われる言い方ですが、業界や会社、あるいはその用語を使う会社が商流のどこにいるのか、その立場によっても意味が微妙に異なります。読み方も言い方もかなり特殊ですが、古い業界では使う人は結構います。最終的な買い手から見た場合、上代、下代(かだい)といった言い方をすることがありますが、意味するところが少し違います。

メーカーの視点で見た場合、一言で言えば、仕切り価格とは卸価格を意味します。たとえば、メーカーが商社へ販売し、商社がまた別の会社へ販売している製品があるとします。

メーカー(製造元)→商社(販売会社)→会社A(ユーザー)

仕切り価格:メーカーから商社への販売価格

上代:商社から会社Aへの販売価格

この場合、仕切り価格とはメーカーから商社への販売価格を意味します。上代価格とは、さらにその先となる商社からユーザーとなる会社への販売価格を意味します。

上代はメーカー希望小売価格とも同じ意味で使われることがありますが、この用語が使われる多くのケースは企業間・事業者間の取引のため、メーカー希望販売価格とでもいいましょうか。つまり、上記の例でいえば、会社Aの先にさらにユーザーがいれば、上代の上代があることになります。こういう場合の言い方にはいろいろなケースがありますが、ユーザーへの販売価格のみを上代と呼んで、それ以外はメーカーから商社への仕切り、商社から商社への仕切りというような言い方をすることがあります。

メーカーの多くは特定の販売会社と契約し、いたずらに自社製品が過当競争に陥ったり、商売が混乱しないよう整理を行うことがありますが、上代の目安を指定することもあります。これによって過当な値下げ競争に陥ることを防ぎ、販売会社で一定の利益を確保できるよう調整をすることになりますが、過度にやりすぎることや手法によっては法令に抵触することがあり、難しいところではあります。定価を固定してしまうやり方は、書籍の再販制度がよく知られていますが、工業製品の分野でも、使用者となるユーザー価格と、使用者へ販売する企業への卸価格には明確な差を設けています。

複数の商社と契約しているメーカーがあったとして、その商社への卸価格となる仕切り価格はある程度統一的な運用を行ったとしても、商社同士が別の商圏を持っていたとしても同じ製品を際限なく値下げしあうというようなことになると具合がよくありません。ユーザーからすれば価格がおかしい、ということになり、当然最安値にあわせるべきだとなります。ユーザーや市場の原則に従えば、適正に競争し、価格はどんどん下げてもらったほうがよいということになりますが、製造サイドや販売サイドでは、この価格をなるべく高くしようとします。

そこで、「上代はいくら以上でお願いする」というような形で商社へ伝えられ、商社も信義上、それを下回る価格での販売を行わないよう販売を実施するといった具合です。

仕切り価格と上代は、あくまでメーカー、製造する側から見た視点ですが、最終的な買い手から見た場合、別の表現もあります。冒頭で述べた上代と下代は、例えば、販売店が最終的な価格へ販売する価格が上代であり、仕入れ価格が下代となります。

仕切り、上代、下代の違いとそれぞれの意味

メーカーや卸業者の視点で見た場合

メーカー視点から見た場合、販売店や商社、卸業者など、その先にさらに商流があるような取引のケースで、直接販売する卸業者に対する価格を仕切りと呼び、その先の卸業者からの販売価格を上代と呼んで区別しています。

仕切り価格と上代の違い
仕切り価格 上代
卸価格のこと。英語ではWholesale price, 略してWSP。 最終的なユーザーへの販売価格、定価のこと。英語ではretail price。list priceという希望価格、定価といった言い方をすることもある。また現実には価格を完全に指定することはできないので、希望小売価格という言い方で、英語ではsuggested retail price、略してSRPという表現が使われる。メーカー希望小売価格であれば、manufacturer's suggested retail price、略してMSRP。いわゆる再販価格はresale priceとなり、この英語表現が使われることもある。メーカーが直接販売した商社がまた別の商社に販売する場合もresaleの表現が使われるため、この再販価格まで指定する場合、suggested resale priceという言い方も成り立つ。

最終的な販売者の視点で見た場合

一方で、小売業者の視点で見た場合は、定価というのは消費者や最終ユーザーへの販売価格となります。これが上代であることは変わりませんが、一方で仕入価格のことを下代と呼ぶことがあります。

上代と下代の違い
上代 下代
最終的な販売店からユーザーへの販売価格のこと。再販業者などへの販売ではなく、消費者やユーザーへ売るときの価格。定価。retail priceやlist priceといった表現が英語では使われる。 販売店の視点から見た仕入れ価格のこと。英語ではpurchasing priceやpurchase price。小売店の仕入れ価格のこと。

スポンサーリンク

>このページ「仕切り価格と上代価格の意味と英語での言い方」の先頭へ

このサイトについて

当サイトの記事はすべて工業製品のメーカーの実務経験者が執筆しています。

砥石メーカーの製品や技術を紹介するサイトとしてはじまりましたが、加工技術・工具・研削・研磨に関わる情報から派生し、ユーザーの問い合わせに応じて鉄鋼、非鉄、貴金属、セラミックス、プラスチック、ゴム、繊維、木材、石材等製造に使用する材料・ワークの基礎知識についても掲載するようになりました。その後、技術情報に限らず、製造業で各分野の職種・仕事を進めるうえで役立つノウハウも提供しています。

製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、経理、購買調達、資材、生産管理、在庫管理、物流など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

工業情報リンク集

工業分野のメーカーや商社を中心に、技術、規格、ものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業製品の生産に必要とされる加工技術や材料に関する知識、マーケティングから製品企画、開発、販売戦略、輸出入、物流、コスト低減、原価管理等、事業運営に必要な知識には共通項があります。

研磨、研削、砥石リンク集