スポかんばん|スポットかんばんとは何か

2018年12月3日更新

スポかんばんは、スポットかんばんの略で、自動車部品業界では「一時的に」使われる「かんばん」のことを意味しています。

「かんばん」はトヨタ自動車やそのグループで使われる受発注の仕組みのひとつで、うまく活用すると多種多様な部品を在庫することなく、必要な分を必要なときに発注・納入することができます。基本原理としては、部品の入った納入に使われる通い箱には発注時に発行される「かんばん」がついているので、この状態で自動車メーカー側のラインへ納入されると、かんばんが外されて、外れたかんばんが部品メーカー側へ返却されることで発注がわりになるというものです。現在はかんばんの多くは「eかんばん」と呼ばれるように電子化されていますが、原理はほぼ同じです。

かんばんには「サイクル」という概念があり、かんばんを発行してから、部品が生産ラインに納入されるまでにかかる期間についてはこのサイクルを見ることで判別できるようになっています。逆にいえば、それぞれの「かんばん」には固有のサイクルが設定されているため、これを逸脱した範囲での使用ができません。たとえば、かんばんサイクルが1-1-2となっている場合、1日1便、2便後納入という間隔での出荷になるため、1日に1便しか自動車メーカーへ納入する便がないことになります。このように設定されているかんばんの場合、評価用や追加用で当日に製品が必要な場合、通常のかんばんを振り出しての発注では翌日以降になってしまうため、間に合いません。そこで使われるのが「スポかんばん」あるいは「スポットかんばん」です。

通常のかんばんには、サイクルが決まっているため、追加注文や緊急性の高いもの、通常の用途とは異なるもの、臨時で必要な場合などで使い勝手が悪いのですが、かんばんの仕組み上、発注自体もかんばんで行う必要があります。

トヨタ自動車からはすべてかんばんで注文が飛んでくるため、各かんばんにはサイクルが設定されており、このサイクルの壁を取っ払って発行される臨時かんばんとなるスポかんばんが必要となります。新規流動開始時や導通テストなどの際にためしに発行するなどの場合もスポかんばんが使われることがあります。

スポかんばんが飛んできた場合は、あくまで臨時のものであるため、それに続くかんばんがどのようになるかは確認の必要があります。それによって自動車部品を供給する側は生産計画や生産準備を進めることになるためです。

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