かんばんの前工程発行と後工程発行

2021年8月22日更新

自動車部品の受発注にはかんばん方式が多用されていますが、現在はそれらを電子化したeかんばんやEDIと呼ばれるシステムを用いてやり取りが行われています。前工程発行と後工程発行というのは、これらのかんばんデータを出荷先(仕入先)が発行するか、納入先(客先)が発行するかという違いです。

自動車には約3万点前後の部品が使われているとされますが、それらの部品を作るための部品や材料まで勘案すると膨大な種類の部品が大量に受発注繰り返されていることになります。したがって、よほど品数が少ないとか生産数が少ないといったものでなく、自動車部品を専業で扱っている場合、ほとんどは手で発注書を書いて日々送るというのではなく、電子的な発注と受注で素早くやり取りができるようにされています。

例えばEDIを例にとると、発注側がウェブベースで発注を行うと、仕入先側で納品書やかんばんデータを印字してそれを通い箱に取り付けて出荷する、という方法が一般的です。

支給元と支給先、取引先と合議の上、後工程発行か前工程発行のどちらにするか選ぶことができます。

前工程発行と後工程発行の違い
発行方式 内容 説明
後工程発行 客先(納入先、支給先)が発行して仕入先へ送る方式。 データは仕入先でかんばん用紙に印字して使う。大多数はこの方式。発注データから出荷・納品・検収データが電子的に残るため、紙での受領書や納品書の発行を省略しているパターンが多い。分納時は手書きで追記してもう1枚申請する。
前工程発行 仕入先(出荷元、支給元)が発行する方式。 支給品などで、支給先が使った分のかんばんデータを読み込むとそのデータをもとに支給元が使われた分だけのかんばんを発行して製品を送り込んでくる、というような使い方が可能。分納の時は自分で分割発行できるメリットはある。
 

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