リンク生産とブリッジ生産の意味

2020年1月20日更新

リンク生産とは、トヨタやダイハツ等のトヨタ圏の自動車メーカーでよく使われる用語で、同一の車型を複数の工場で生産することを意味しています。特に同一の車種・車型を、同じ時期に複数の工場で生産するケースです。自動車業界の場合、ブリッジ生産の名称がよく使われます。並産や併産という用語が使われることもあります。

なお、リンク生産、ブリッジ生産を英語で表現する場合、Multi-site productionやMulti-factory production (MFP) となります。社内用語として確立していない環境で使う場合、linkやbridgeを使ってしまうと別の意味を持つ用語ととられることがあります。直訳のlink productionやbridge productionでは通じないことがあります。

例えば、一時的に売り上げ好調で、他の工場での生産応援を行わないと生産能力が追い付かない場合や、何らかの理由で生産応援が必要、あるいは負荷が比較的低い工場へ生産応援を割り振ることで生産効率を上げる動きと連動して実施されます。工場は稼働率や可働率を可能な限り上げ、100%の状態を維持することで設備が遊んでいる期間・時間が無くなる為、負荷の空いている工場へ仕事を割り振り、生産を平準化する、工場をフル活用して生産性を全体として上げるというメリットもあります。

デメリットとしては使用する設備や人員も変わるため、品質のばらつきを懸念し、製造業では一品種を生産するのは一か所のほうが管理が容易になります。消費者に直結していない、いわゆるB to Bでの客先へ納入するタイプの工業製品の場合、生産場所や生産工場の変更は、工程変更申請を提出し、その事前承認が必要となる事が多いのも(取引の力関係にもよりますが)、容易に生産場所の変更ができないことを証左の一つとも言えます。

複数の工場でのブリッジ生産やリンク生産を行う場合、同一レベルの品質が担保できることが求められ、不具合が発生した場合に、どちらの工場で何が原因で起きたのか特定ができる体制も必要となります。

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