出荷業務における3点照合とは何か

2023年7月23日更新

出荷業務のプロセスでの3点照合とは、客先注文に対して誤った品物の出荷を未然に防ぐために確認・照合することやそのシステムを意味しています。英語ではthree way matchingと言います。実施内容としては出荷予定データと、これから納品を予定している現物につけられている社内用のかんばん(現品票)、得意先(客先)の納入時に通い箱につける客先かんばん(客先の現品票)の3点をハンディターミナルを使って照合するプロセスです。誤品照合とも言います。デンソーの提供するシステムが有名です。

かんばん方式は間違った納入があると成立しない

トヨタ生産方式のかなめともいえる「かんばん」を使った納品は、当然、中身が正しいものであるという前提がありますが、実際には何ら策を講じないと異品や誤品を納入してしまうという事例が後を絶ちません。またその結果、欠品につながったり、員数不足といわれる箱内の個数が足りないというような事態も発生します。

自動車部品は類似品が多いうえに(見かけだけで判別ができないものや、できたとしても単なる識別ペイント違いというものもあります)、納入する箱数が尋常ではない数になります。

また出荷や納品もまとめて、というのではなく毎日、それも時間単位での納入が途切れることなく続きますので、製造現場で正しく箱に詰めたものが、ストアに運ばれ、集荷・出荷の担当者が正しく客先のかんばん(オーダー)と紐づけて出荷処理を行っていく必要があり、どこで齟齬が起きても、誤品や欠品のリスクが出てきます。

かんばんを使う客先や納品先というのは、基本、自社の生産ラインでその部品が使われるとかんばんが外れる方式であるため、余剰な在庫を一切持ちません。したがって、納品した現物が、注文したものと違っていたとなれば、そのまま客先の生産ラインを止めることにもなりかねません。

こうしたことから出荷時の3点照合というのは自社の製造や集荷を経由してきた品物が、客先へ正しく納品できるものかを確認する最後の砦となります。

3点照合のやり方

手順としては集荷マンや出荷担当者が、その日あるいはその時間帯の出荷予定データを取り込んだハンディターミナルを持ち、客先の注文書兼送り状でもある「かんばん」をもって出荷場となるストアに置かれた現物の在庫場所に向かいます。

現物の箱のかんばんホルダーには、社内用のかんばん(現品票ラベル)がついており、自社の品番や製番、個数、出荷予定、納品先等のデータが記載されています。

この社内用の現品票を、客先へ納品する際のかんばんへ差し替える業務を行う際、ハンディターミナルで自社のかんばんを読み込み、差し替えするかんばんを読み込んでこれら3点のデータに齟齬がないかQRコードで照合させます。

調達プロセスでも3点照合

3点照合という発想自体は他の分野でも多々見受けられます。例えば、調達プロセスにおけるものを指している場合、(PO(注文書)、納品書、Invoice(請求書)の3点の一致を確認することを意味しています。世間一般や諸外国では、3点照合といった場合、こちらのほうが一般的です。証拠となる帳票や書類(証憑)やデータをつきあわせて、間違いがないか確認を行うための工程を指しており、確認する内容は異なっても目的は同じです。

3点照合を構築する場合、以下に留意して照合すべき情報を吟味していくことになります。この照合業務は様々なものに応用が効きます。もちろん、照合自体をせずにミスが発生しない仕組み自体を構築するほうがよいのはいうまでもなく、このプロセスはあくまで流出防止の策であって、発生防止の根本的なものではありません。

  • 何を確認したいか
  • 自社でそれを実現できるデータ・情報はどれになるか
  • 照合作業に意味のあるものか(同じデータの比較になってないか)
  • 照合作業は反復して容易にできるものか、照合自体にミスが発生しないか

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