エンドミルやバイト等の切削工具のコーティングは何のためのものですか。

2011年8月8日更新

TiN(窒化チタン)、TiAlN(窒化アルミニウムチタン)、CrN(窒化クロム)、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、TiCN(炭窒化チタン)、TiSiN(窒化チタンシリコン)、DIA(ダイヤモンドコーティング)などの薄膜を工具の表面につけることで、硬度をさらに上げ、耐久力や寿命、切れ味、面精度を高い水準で維持することができます。またこれらは切削速度にもダイレクトに影響します。

工具に硬さを求めるのであれば、切削工具すべてに高硬度物質であるダイヤモンドかcBNを使えればよいのですが、コストの問題やワーク、作業内容によってはある程度の粘りが必要な場合もあり、これらが適さない場合もあります。また削る素材の特性によって、どのコーティングを採用するかで加工後の切り口の仕上がりの善し悪しに影響することもあります。切削工具の代名詞ともいえるのが超硬工具になりますが、この超硬を超えるほどの硬度を持つワークの加工では苦戦することになります。砥石とは異なり、切削工具の場合、削ろうとしている対象が工具よりも硬いとうまく削ることができません。したがって、通常の超硬工具で切削可能なワークの硬さはロックウェル硬度(Cスケール)で凡そ40程度ということになってしまいます。

そこで、前述の窒化物やダイヤモンド等の膜をつけて加工を可能にしています。こういった硬質膜の種類としては、窒化物系のものと、酸化物系のものがあります。鉄鋼材料でも特に焼入れ鋼にはほとんどの場合、窒化物で、切削工具のコーティングで最も多いタイプでもあります。

膜は単層のものありますが、複層のものもあり、用途や目的に応じて数々の膜設計が行われています。刃先の形状や加工条件も高硬度材料の加工には影響する重要な要素となります。工具にしっかりとこうしたコーティングが施されている場合、ロックウェル硬度(Cスケール)で60以上の素材であっても削ることができます。

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