英語でよく使われるラテン語由来の略語

2014年9月18日更新
英語でよく使われるラテン語由来の略語

論文をはじめ、技術文書、ビジネス文書や英文レター等でも散見されるラテン語に由来する略称は一見すると何かわからないものが多いです。特に論文では多くのこうしたラテン語の略称が使われますが、科学的なデータを取り扱う文書等でも使われるため、論文とは一見関係のないと思われるビジネスの世界でもこうした知識は役に立つことがあります。

また、ビジネスパーソンによってはこうした表現をよく使う人もいますし、欧米圏では理系分野に限らず、教養として普通に使われることもありますので見たことがないと慌てることのないよう覚えておきたいところです。

下表に比較的見ることの多いラテン語の単語とその略称、対応する英語と意味を一覧表にまとめました。

英語でよく使われるラテン語由来の略語の一覧表
ラテン語の略語 ラテン語の単語 英語での意味 日本語
etc. et cetera and so on 「その他」「〜など」を意味するエトセトラとして最もよく使われるラテン語由来の英語の略称のひとつです。
ca. circa about おおよそ、約〜。年代を示すときに使われるラテン語です。
cf. confer compare 〜と比較せよ、〜参照せよ
e.g. exempli gratia for example たとえば、例を挙げると
et al. et alii and others 〜ほか、〜その他、〜及びその他
ibid ibidem in the same place. 前記の箇所の、同書の、同ページに、同章に。参考文献などの引用箇所や参照箇所を示すときに多用されます。
id. idem the same 同上、同文献より、同著者
i.e. id est that is すなわち、言い換えれば。一般的な英文でもよく目にすることが多いラテン語の略称です。
loc.cit. loco citato in the place cited 示した同じ場所にある、の意味。同じくラテン語のibidと似た使い方をされますが、loc.citのほうは同じ文献の同じページであることを示したいときに使われます。論文ではibidが使われることのほうが多いです。
N.B. nota bene take careful note 注意せよ
non seq. non sequitur it does not follow 誤った結論、不合理な推論
op. cit opere citato in the work cited 提示した同作品、前掲の同文献。ibidは参照箇所が直前に示した文献と同じ場合に使われますが、このop citの場合は、参考文献のうち同じ著者の文献で直前に出たものを示したい場合に使われます。
q.e. quod est which is それは
QED quod erat end of proof 証明終わりを示します。数学で多用されます。
q.v. quod vide which see 〜を参照せよ
viz. videlicet that is すなわち、つまり
vsもしくはvs. versus against 対、〜に対して。A vs Bなどの形で日本でもお馴染みの表現です。
v.s. vide supra see above 上記参照
v.i. vide infra see below 以下参照、下記参照
sic sic thus, so 「原文のまま」を意味します。[sic]と形で括弧で括って引用する際に使います。
ut infra ut infra as below 下記のように
- bona fides authenticity 真正性、誠意、善意。法律や契約に携わる方にはなじみがある表現かもしれません。
de facto de facto factual 事実上の。デファクトスタンダードとしてビジネス用語ではよく使われる表現です。
de jure de jure - 法律上の、正当な
ex officio ex officio - 職務上の、職務の上での、職権上の
in re in re in respect to 〜について、〜に関して。判例などでよく目にします。
in vitro in vitro - 体外の、試験管内の。広く化学、生物分野で使われます。環境への影響を示す文書では割とよく使われます。
in vivo in vivo - 生体内の、体内の。環境関連や致死量などの測定結果表記などでよく使います。
per capita per capita - 一人当たりの。英語でもよく使われるため、ラテン語というよりは英語として認識されている方もいるかもしれません。
per diem per diem - 一日あたり、日当、日給
pro forma pro forma - 形式的な、見積もりの、仮の。正式なinvoiceの前に発行したり、見積もり用途で発行されるpro forma invoiceもここからきています。
vice versa vice versa - 逆もまた同様に。反対に。何かの例を出して、その反対のことについても同様のことがいえる場合によく使われる表現です。
pro bono pro bono - 善意で行われる、無料の。pro bono〜で無料〜という表現になります。専門的知識を持った職業人による無料の社会奉仕活動のことをプロボノと呼ぶことがあります。

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